「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

72年目の広島 核兵器禁止条約不参加の日本の矛盾

2017-08-06 05:16:46 | 2012・1・1
昭和20年(1945年)8月15日午前8時15分、広島に原爆が投下されてから72年、今年も安倍総理をはじめ世界80か国の代表が参加して「平和式典」が開かれた。主催者の松井一実広島市長が”核兵器のない世界”を目指して「平和宣言」朗読、先月国連で選択された核兵器禁止条約にも触れ、唯一の被曝国として、わが国が核保有国との橋渡し役になって欲しいと語った。

国連はひと月前の7月8日、”核兵器のない世界”を目指して核兵器禁止条約を採択した。193加盟国のうち129か国が核兵器の使用、開発、実験、さらには使用するという”威嚇”まで禁止するという内容に賛成した。しかし、わが国は米国の”核の傘の下”にある立場から参加しなかった。外交には素人の僕だが、世界唯一の被曝国が参加しないのは矛盾である。この矛盾について安倍総理が何も語らなかったのは残念であった。

オバマ前大統領の昨年5月の広島訪問があまりにも印象的だったため、今年も米国からの高官の参加を期待していたが、今年は新しい大使が赴任前(8月下旬来日)という理由で臨時代理大使もが参加、国連からも事務総長ではなく、軍縮担当の次長{日本人)である。

トランプ大統領は昨日からホワイトハウスを離れ18日間の長い夏休みだという。大統領と平和式典とは直接無関係だが、気になるのは昨年の大統領選挙での発言である。曰く。”日本は金持ち国だ。自分で核兵器を作ればよい”曰く”(広島、長崎の原爆被害に触れ)戦争は仕掛けたほうが悪いのだ”などなど。広島被曝体験者の平均年齢も81歳を超えたという。政府はこれを踏まえ、唯一の被爆国として、世界に対して、広島、長崎を訪れ、その悲惨さを追体験して、核兵器絶滅の輪を広げよう。それには、まず、国連条約に参加することだ。