「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

横手の木賃アパートの火災事故とプレミアム.フライデー

2017-08-24 05:34:28 | 2012・1・1
秋田県横手市の築49年の木造2階建てアパートで22日深夜、火事があり、逃げ遅れた5人が死亡した。アパート1階13室、2階15室あり、男性の単身者のみ24人が住んでいたが、24人のうち17人が精神病院への通院者、12人が生活保護の受給者であるという。この事故を知り、”またか”と思ったのは多分、僕だけではなかろう。

僕がすぐ思いつくだけでも平成27年の川崎市日進町の簡易宿泊所での11人の焼死、今年7月の北九州市有馬の1泊500円の老朽木賃アパートでの6人焼死事故。二つとも犠牲者のほとんどが、身寄りがない生活困窮弱者であった。数年前にも東京の大久保でも同じような事故で5人が亡くなっているが、長い間、身元が判明しなかったのを憶えている。

新聞の折込広告に”プレミアム.フライデー2割引きセール”のチラシが入ってきた。すっかり忘れかけていたが、そんな制度があったのを想い出した。恐らく一部の恵まれた企業や公務員を除けば、この”優雅な”生活の恩恵に浴しているのは少ないのではないだろか。

安倍内閣が”三本の矢”の経済政策として”一億総活躍社会”実現を目指している。数字だけ見ると、大都会での失業者数は減ってきているが、実態はどうなのだろうか。横手市の場合を見ると、まだ50歳代の働き盛りの人もいる。高齢者を中心に生活保護受給者の数が年々増加している。事故が起きた犠牲者の中には、行政の紹介で入居していた人もあるという。どこか政府の福祉行政に欠陥があり、落差があるようにみえてならない。