「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

ヘリ事故に思う 「山の日」を「ご先祖感謝の日」に

2018-08-12 06:45:09 | 2012・1・1
今年初めて制定施行された国民の祝日、8月11日の「山の日」を前に、またまた群馬県で防災用のヘリコプターが山林に墜落、9人が死亡した。昨年3月、同じように長野県の鉢伏山で同じように長野県の防災ヘリが訓練中事故を起こした記憶がまだ僕には新しい。森林をなぎ倒し、機体が散乱しているテレビ写真の構図は全く同じだ。何故、同じような悲惨な事故が繰りかえされるのかー。

偶然だが、33年前の昭和60年8月12日、群馬県上野村の御巣鷹の峯に羽田発大阪行きの日本航空123便が墜落、520人が犠牲となる史上最悪の事故が起きている。乗客の大半は盆で故郷へ墓参に帰る人だったという。僕が住む東京では7月に盆は行われるが、全国的には8月がお盆で、やはり、この時期には故郷を想い、ご先祖をしのぶことが多いのではないか。

祝日法によれば、「山の日」は”山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する趣旨から制定されたが、まぜ8月11日なのか特別な理由はない。大方の忖度によれば、盆休み期間に休日を1日加えて連休にしようとした単純な理由からであろう。夏休みのこの期間、庶民にとっては家族ぐるみで帰郷できたり、旅行で来たりしてそれはそれでよいのだが。。

都会では年々、盆の行事は薄れてきて、ご先祖の霊を迎えたり、送ったりはしなくなった。若い人の中には墓参さえしない。どうだろう名前だけでもよい。「山の日」ではなく、「ご先祖感謝の日」と名前を変えてはどうだろうか。東京五輪の2020年には11日を別の日に移す、あまり意味のない祝日である。ヘリの多発事故は”山の神”の、先祖のことを忘れかけてきた日本人への警醒かもしれない。