「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

戦争を知らない世代への「戦争」の伝え方

2018-08-19 08:58:19 | 2012・1・1
先日の小ブログ「飛び入り語り部」(8月17日)について、コメンテーターのLordyupaさんから「音声画像付き記録を」という有益な一言を頂戴した。ご提案は”文章だけでなくスマホなど音声画面を個人的に記録、保存できる時代だから、ぜひともデジタル化して貰いたいというのだ。残念ながら、87歳のこの歳では技術的にできないのだが、戦争を知らない世代へ戦争を正しく伝える私案を述べてみたい。

昭和17年2月シンガポール戦が終わって英国軍が降伏文書に調印したブキティマのフォード工場跡は、今、戦争博物館になっているが、事前に頼めば、日本軍のマレー半島電撃作戦から往時の昭南(シンガポール)を撮影した日本映画社のニュース映画などを見せてくれる。しかし、日本では戦時中の映画を見ることは一般的には難しい。日映アーカイブには戦時中の貴重なフィルムがあると聞く。また、メナドの海軍落下傘部隊降下を題材にした日本初の長編アニメ映画「桃太郎の海鷲」(昭和18年)も残っている。

戦争体験者世代が「学童疎開」組が中心と中心となり、やがて直接戦争を体験した語り部もいなくなる。それに戦後世代は僕らと違って進んだ視聴覚教育を受けている。「聴」が中心の今の戦争体験催事では十分でない気がする。テレビを見ていると、戦後世代が聞き伝えの戦争を体験談のように話をし始めている。戦時中の映画や音楽は戦意を高揚し、戦争につながるとして敬遠、禁止する風潮がある。しかし、映画は当時の記録である。その映画でさえ、内容が理解できなくなってきたかもしれない。

先日、品川歴史館で感じたことは、平日の猛暑の昼間とあって参加者が少なかったのは残念だった。「戦争」をもっと広く多くの人に伝えるには、例えば、「桃太郎の海鷲」などを上映すれば、若いアニメ世代にも「戦争」への関心が集まるのではないだろうか。風化するよりは良い。