「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

マハティール首相の「一帯一路」政策への反旗と日本の外交

2018-08-23 04:48:55 | 2012・1・1
マレーシアのマハティール首相(93)が中国を公式に訪問、中国の「一帯一路」政策による東海岸高速鉄道計画を取りやめることで、習近平国家主席の合意を取り付けた。マハティール首相は、今年5月、15年ぶりに政権に返り咲くと、前政権の中国偏重の財政失敗政策の立て直しに大車輪の活躍だ。就任すぐの6月にはわが国を訪問、安倍晋三総理や黒田東彦日銀総裁と会い、挨拶方がた意見を求めている。

マハティール首相は、日本流の数え方によれば大正14年生まれ、先日来日した大正12年生まれの李登輝台湾元総統同様、青年時代に「大東亜共栄圏」を体験している。英国保護領だったアロースターのインド系イスラム教徒の教育者の生まれで、医学生であった。しかし、積極的に日本の軍政に協力したわけではない。マハティール首相が親日的になったのは、戦後政治家になった1980年代の、東方の国々を学べという「LOOK EAST」以来である。

マレーシアは多民族国家で、原住民のマレー系60%、中国系25%、インド系7%という構成だが、経済界は中国系が握っており、マレー系は不遇におかれていた。このためにマハティール首相は、マレー系原住民(ブミプトラ)を重視する政策を進めており、中国系住民との間に摩擦もあるようだ。

2016年から安倍政権は”自由に開かれたインド太平洋戦略”を展開している。中国の「一帯一路」政策を意識してのものだろうが、インドを初めスリランカ、ニャンマーなド「一帯一路」に反対の国も出始めてきた。この傾向にどう対処するのか、安倍政権の外交かじ取りの見せ所だ、