「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”オノケイ”と赤尾の”マメタン” 70年前の受験英語

2019-11-04 05:38:39 | 2012・1・1
文科省が来年度から大学統一全国入試に民間英語テストを導入する案は令和5年(2023年)まで延期さることになった。萩生田文科相の”身の丈に合った”の一言が結果的には延期の導火になったようだが、地域によって格差があるようでは「全国」テストといえない。延期には賛成だが、5年先では遅すぎないだろうか。

戦後すぐの時代に大学入試があった僕らの世代は旧制から新制へと制度改革の波に泳がされたが、当時全国的な統一試験はなかった。問題の英語も各大学別に実施されていた。戦後の時代を反映して「英語」に人気があったが、僕の記憶では受験生の試験対策は、戦前から人気のある小野啓次郎の”オノケイ”の参考書と赤尾好夫の”マメタン”と呼ばれた赤表紙の単語集だった。

各大学の試験問題も”オノケイ”で対応できる英文和訳や和文英訳が多く、赤尾の“マメタン”も入試に出た頻度の単語が蒐集されていた。僕らはこれを丸暗記したものだが、僕が受験した私大では、ヒアリング.テストがり、僕らをためらわせた。これは例外であった。

最近の英語全国統一テストはマークシート方式のようだが、果たして語学教育として十分なのだろうか。正直言って民間のテストのほうが語学教育としては進んでいるように僕には思われる。小学校から英語が教われる次代である。大学入試問題も地域的な格差などないものにして欲しい。