「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「成人式」の記憶がない69年前の成人の日

2020-01-13 06:49:51 | 2012・1・1
今日1月第2月曜日は国民の祝日である。戦後、昭和23年の国民の祝日法で1月15日が「成人式」に制定されたが、平成12年(2000年)の法改正で1月の第2月曜日に変わった。すでに20年近い月日が経っているのだが、いまだに僕には昔の元服式だったという1月15日の方が懐かしい。といっても昭和26年20歳の時、僕は国の「成人式」に参加した記憶はない。東京ではなかった気がする。

亡父が書き残した”わが家の記録”には僕の「成人式」につぃては記載がない。ただ20歳の誕生日パーテイをかねて自宅の八畳間に中学j代の友人5人を呼び、亡母ご手製の料理を食べ、僅かな酒で乾杯した。昭和26年は戦後の食糧難はようやく回復してきたが、まだ外でパーテイを開くほどの余裕はなかった。

“わが家の記録には僕の元服のことが書いてあった。昭和の時代、もちろん「元服式」などなかったが、昭和13年、父は僕を理髪店へ連れて行き、長髪の”坊ちゃん刈り”を丸坊主にしている。奈良時代の昔から男児は成人になり元服式を迎えると頭に月代を入れる習慣があったという。僕の成長を願ってか、それとも戦争という時代を考慮してのことだろうか。

閑話改話。令和2年の民法改正え、成人年齢が18歳に引き下げられるという。差し当たって来年の「成人式」の対象年齢をどうするのか。国の将来を担う若い人たちだ。想い出に残る意義ある「成人式」にしてあげたい。







「海賊アラブ」対策現代版 海自の中東派遣

2020-01-12 06:12:46 | 2012・1・1
海自(海上自衛隊)のPC哨戒機2機が中東海域の日本船舶の安全確保のための情報収集を目的に昨日、アデン湾に面するアフリカ東部のジプジに出発した。哨戒機は近く出発する護衛艦「たかなみ」と共にオマーン湾、アデン湾、アラビア海北部の公海での海賊にも対処するようだ。

この海域の一つオーマン湾からペルシャ湾にかけてはUAE(アラブ首長国連邦)が成立する1971年までは、英国の保護領で「休戦オーマン」とも「休戦海岸」とも時には「海賊海岸」とも呼ばれていた。18世紀ごろから、この海域は海賊が跋扈し、英国は沿岸のドバイ、アブダビなどの土侯国との間に休戦協定を結んでいた。手元にある蔵書「ペルシャワン真珠と石油と海賊」(川崎寅雄著 昭和34年 石油評論社)によると、マルコ.ポーロの昔から沿岸の住民は”凶暴な不信な人々”と恐れられ、海賊キャプテン.キットでさえ近寄らなかったという。

21世紀の今の時代、物取り目的の海賊は姿を消したが、地域紛争があとを絶たず、公海でも襲撃を受ける。昨年6月、日本のタンカー2隻が襲われたのは記憶に新しい。原油など80%以上、中東に依存しているわが国にとっては死活の問題である。イランと米国との対立で、中東海域の波高しを思わせる。昔の「海賊アラブ」ではないが、関係各国との間で話し合いを持つとともに、偶発的、突発的な事件、事故をさけるため自衛も必要かもしれない。


ゴーン フェニキア人の末裔の血

2020-01-11 07:09:28 | 2012・1・1
日産自動車の元会長、キャロールゴーン被告(65)が保釈中に東京から祖国、レバノンに逃亡、まるで凱旋将軍のように記者会見をしていた。事件そのものには、あまり関心がないが、いかにして逃亡したのか興味があったが、残念ながらそれには触れず、日本の司法制度や日産に対する批判に終始していた。

事件そのもには関係ないが、僕個人的にはレバノンの首都ベイルートは懐かしい。半世紀以上も前の1962年11月、新聞社の移動特派員として1週間滞在した。レバノン内戦(第5次中東戦争〉前で、街は破壊されておらず、”中東のパリ”といわれたほど美しかった。取材で郊外のカジノやスキー場を訪れたりした記憶がある。

レバノンはアラブ諸国の中では”アラブ”らしからぬ国であった。その時得た知識ではレバノンは紀元前2世紀ごろ、現在の国旗にも描かれているレバノン杉で建造さてた木造舟に乗って地中海交易に第活躍したフェニキア人の地で、北アフリカのカルタゴもフェニキア人の植民地であった。

ゴーン被告には遠く、このフェニキア人の血が流れているそうだ。いい意味では商売上手かも知れないが、なかなかしたたかである。明らかに日本の法を無視した"御用者”である。ICPC(国際刑事警察機構)を通じて徹底的に身柄の引き渡しを要求すべきである。安倍総理がこの問題にふれないのもおかしい。

80歳代を無事健康で生き延びるには

2020-01-10 06:44:03 | 2012・1・1
10年前、2010年1月の日記帳を読み直してみると、僕は国立病院のMRI(磁気共鳴画像)検査で膀胱癌(がん)の再発が見つかり26日から入院している。数え年80歳の時だが、それから10年、今年90歳卆寿の年を迎えた。いってみれば、80歳代の10年間だったが、数えてみたらなんと6回も入院(うち2回は大腸癌、2回は膀胱癌摘出出術)をしていた。波乱の10年、よくぞ元気で生き延びてきたものだ。

僕が初めて膀胱癌が見つかったのは、さらに20年前の2000年10月、血尿と激痛が出たが、町医者の誤診から癌と判らず多少手遅れだったが、無事120日入院無事だった。それから5年、患部に抗癌剤を注入通院、無事解放された。2000年から2010年までは、僕にとって70歳代だったが、入院はこの癌のほか白内障の一回だけだった。しかし、血糖値が若干高く、糖尿予備軍として月に1回通院し投薬を受け、生活習慣病予防につとめ節酒した。が、今から考えて問題だったのは膝の痛みについて専門医の診断を受けず、自己流にスポーツジムに通ったりしたりなどしていたことだ。

結局、2013年、僕は82歳の時、専門医の診断で80日間、糖尿の治療を受けながら、70日間入院、左膝の人工関節の置換手術を受けた。手術後5年間,観察治療を受けたが、今でも通院介護で週に1回、リハビリしいる。

70歳代と80歳代とでは体力が違う。出術によっては80歳代では人によっては出術出来ないという。僕の場合は幸い体力があり、いずれの癌も早期発見され、ステージ2であったことだ。自治体の無料定期診断検査は必ず受け、問題があれば専門医の診断を受けるべきだ、

”鉾をおさめた”米国の真意 安倍総理の中東訪問

2020-01-09 07:38:03 | 2012・1・1
イランが8日、弾道ミサイル10発以上をイラクのアサド米軍基地など2か所に発射した。米軍によるソレイマニ革命防衛隊司令官殺害に対する報復だが、これに対して米国がさらなる反撃に出るか。トランプ大統領の動向が注目されていたが、大統領はこれまでの強硬な発言から一転、”鉾をおさめ”てきた。とりあえず懸念された中東全面戦争は回避されたようだ。

アサド空軍基地の名前をきいて僕はイラクの隣国シリアに二代に当たって君臨するアサド大統領の名前を思い出した。日本の新聞には報道されなかったが、そのアサド大統領がソレイマニ司令官が殺害されたこの時期にダマスカスでロシアのプーチン大統領の訪問を受け、両国間の軍事協力を話し合っていた。シリアとイラクとは歴史的に初代アサド大統領のアラブ社会党(バース党)を通じて深い関係にある。

東西冷戦の時代から米国はロシア(ソ連)の中東地域へ勢力浸透により気を使ってきたが、シリアに関する限りその存在感は今は米国より強い。あれだけIS内戦に揺れたシリアなのにプーチン大統領はダマスカスのイスラム、キリスト教史跡を見学している。米国のトランプ大統領ではそうはいかない。善意をも支持しているイラクのバグダッドでさえ訪れることはできない。

安倍総理が週末からサウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、オマーン三か国を親善訪問するという。いずれも石油を通じてお世話になっている親日国だ。反対ではないが、時期が悪い。利害が絡み合っており、米国が”鉾をおさめた”かといって何が起きるとは限らない。異教徒の日本人には、なかなかイスラム教徒のものの考え方は理解出きない。

世界で注目される20人 クールとセクシー小泉進次郎環境相

2020-01-08 05:29:01 | 2012・1・1
小泉進次郎環境大臣が英国の新聞「タイムス」紙の今年世界で注目される一人に日本から選ばれた。これをめぐってテレビの情報番組が格好の話題にしている。「タイムス」紙は”小泉大臣は顔はハンサムだが、独自の考えを持たない世襲の政治貴族か、それとも同世代の最も魅力的な政治家なのか"と問いかけながら進次郎氏を紹介しているそうだ。

僕はこの「タイムス」を読んでいないし、進次郎大臣にもそれほど興味があるほどではない。純一郎総理の御曹司(次男坊)で、38歳と若く、どちらといえば、アウトスポークンで、美人タレント,滝川クリステルさんと結婚、出産時に大臣として有給休暇を取るかどうかぐらいの知識だ。

その進次郎大臣が昨年の国連総会の集まりで”気候変動はクールでセクシーな問題だと発言、英語がネーテイブではない日本人を驚かせた。一般日本人には”セクシー”とは別問題で気候変動とは結びつかない。失礼だが、進次郎大臣は環境問題の専門家ではない。公式の場で石炭火力削減の具体的な数字を問うてるわけではない。しかし、あまり気をてらった発言は如何がものか。

進次郎大臣が政治家が好きな漢語の格言(戦国策.燕策)を使って“隗より始めよ”といっていた。”人にこのようにしろというよりも、自分がまず始めよ”(三省堂慣用句辞典))という意味だそうだ。その通りである。次期総理という声があるが、僕には早すぎる気がする。


”不完全”になった”新聞の社会面記事の伝え方

2020-01-07 05:12:35 | 2012・1・1
昨日の購読紙「産経新聞」(1月6日付首都圏版)社会面に”アパートで火事 女性3人ら死亡 千葉流山”というベタ(一段)記事があった。火事は5日の午前3時半に起きており、取材の時間は十分あると思うのに記事は被害者の年齢、性別にも触れていない。無論のこと写真など掲載されていない。

昔、NHKテレビの人気ドラマ(1958年ー66年)に「事件記者」という人気番組があった。警視庁記者クラブを舞台に各社の記者が事件を追って特ダネ争いをするドラマだ。その少し前の時代、僕も駆け出し記者時代、警視庁管内の警察担当記者(サツまわり)をしており、大きな火事だと車で現場に駆け付け取材したが、上記のような記事を書こうものならデスクから怒鳴られたものだ。焼死者があれば、名前と年齢を聞き込み顔写真まで探しまわった。

半世紀以上の年の流れで新聞の事件、事故の報道の仕方も変わってきた。個人のプライバシー保護の観点からか被害者の写真などめったに掲載されない。しかし、上記のような記事は少し乱暴すぎる。焼けたアパートには独身者4人が居住していたという。アパートの持ち主に聞けば被害者の性別年齢などすぐわかることだ。

今朝(7日付)「産経新聞」にもこの火事の続報はない。昔に比べて社会面の事故、事件の記事、扱い方が、警察の発表に頼りすぎるのか、少し乱暴すぎるようになってきたような感じがする。

羹(あつもの)に懲りない米国の中東軍事介入

2020-01-06 04:57:25 | 2012・1・1
米軍3000人が中東に増派されるという。理由は米軍へりコプターが先日、イラク訪問中のイランの革命防衛隊ソレイマニ司令官を銃撃殺害したことに対して、イランが報復に出るのではないかという懸念である。トランプ大統領はイランが報復に出ればイランの軍事施設52か所を攻撃目標に設定しているとのこと。52か所とは1979年、テヘランで起きた米国大使館で人質になった館員の数だという。トランプらしい脅しと思うが、随分と一方的な話である。

米国は忘れてしまったのか、それとも羹(あつもの)に懲りていないのか。2003年3月、当時のブッシュ大統領はイラクのサダム.フセイン大統領が国内で大量破壊兵器を製造、これがテロ集団に渡っているとして軍事介入した。11年まで続いた戦闘の結果、サダム大統領は逮捕され死刑にされたが、大量殺害兵器は発見されず、3万人もの犠牲者を出した。しかもイラクの情勢は旧態依然のままだ。

古い話で恐縮だが、1955年から79年まで中東から西アジアの地域にかけてCENTO(中東防衛機構)があった。東西冷戦下ソ連に対する軍事防衛機構だが、英国を中心にイラク、イラン、トルコ、、パキスタン5か国かあなり、米国はオブザーバーであった。CENTOは79年年、イランのパーレビ王朝壊滅とともに消滅した。テヘランの米大使館人質事件の起きた年だ。当時と情勢は違うが、CENTOの時代には、加盟国間のトラブルはなかった。

米国が本格に中東に介入し始めたのは、イランのパーレビ王朝の崩壊の翌年1980年のイラン.イラク戦争からといってもよいのではないかー。1956年の第二次中東戦争(スエズ戦争)では休戦調停役だったが、イラン.イラク戦争では、片方にコミットしはじめ深入りし始めてきた。もともと、中東は英仏両国が宗主国だった地域で言って見れば、米国は”新参者”である。羹にこりて手をひいたほうがよい。