その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

塩野七生 『ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以後(上)』

2010-08-11 20:38:21 | 
 改革派カエサルと元老院派ポンぺイウスの両雄の決戦を描く。軍の量的側面において圧倒的に不利な対場に居たカエサルが「ファルサルスの会戦」をどう戦ったか。詳細に両軍の戦術を記述した本巻は読みごたえたっぷりだった。


(備忘メモ) 

・カエサルの勝因:『敵の主戦力の非戦略化に成功した側が、どの海戦勝者になる』(p235)。

・エジプト王家の宮廷人、ギリシャ系王朝が支配するエジプトに住み着いたギリシャ人商人たちを見て、カエサル『内乱記』の記述:「人間は自分が見たいと欲する現実しか見えない」(p285)

・クレオパトラとカエサルの経緯の中での、筆者の分析。『女とは、理によったのではなく、自分の女としての魅力によったと信じることをこのむ人種なのである』(p291)。女性の筆者が言うのだから、本当なのだろう~
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