その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

エディンバラ・ミリタリー・タトゥー

2010-08-27 23:38:50 | 旅行 海外
 今回のエディンバラ訪問の主目的は、フェスティバルの目玉とも言えるミリタリー・タトゥーです。タトゥーはいわゆる軍楽隊の行進のデモンストレーションですが、このエジンバラでのタトゥーは、バックパイプによる演奏による異国情緒、エディンバラ城をバックに行われる舞台、民族舞踊等のパフォーマンスなどが組み合わさって、世界的にも有名なイベントになっています。ロンドンの日系企業の多くの方から、「一度は見に行くと面白いですよ」と勧められていました。

 当日は、残念ながらしとしとの雨。フリースにジャケット、そして雨除けのポンチョをはおってやっとの気候で、夜21:00開始の公演は寒くてちょっとつらいものがありましたが、会場の熱気はそうした悪天候を吹き飛ばすものでした。

(色とりどりのポンチョが・・・)


 公演が始まる前から、エディンバラ城をバックにした舞台装置に目を奪われます。門の上の旗が風にはためき、松明とライトが城を幻想的に浮かびあがらせます。

(いよいよ公演開始)


 スコットランドの軍楽隊によるバッグバルプの音が一杯に響き、壮大なスケールの公演が始まります。その後、プログラムは、ポーランドの民族舞踊、ロンドンのオートバイクラブのデモ、軍教育部の体操教錬デモストレーション、ニュージーランドのハイランダーの演武等、次から次へと美しい公演が繰り広げられ、ただただ食い入るように見入るだけでした。演奏や歌、舞踊といったパフォーマンスの美しさとエジンバラ城のライトアップ効果が掛け合わされ、自分はどこに居るのかと思うほどの非日常空間が演出されます。テレビで見るオリンピックの開会式って、きっとこんな感じなのだろうと思いました。

(華やかであり、かつ勇壮)






(オートバイのパフォーマンス)


(たしかポーランドの舞踊だったと思います)


 当たり前と言えば当たり前なのですが、アフガニスタン前線への表敬、帰還できなかった兵士への追悼等、お祭りとはいいつつも、対テロ戦争中であるイギリスならではの配慮や国威発揚的な盛り上げが多く見られました。これこそ、本来のタトゥーの目的であるはずなのですが、観光化したイベントの観光客として出かける平和ボケ日本人の一人である私には、改めて国際政治や戦争の位置づけに気づかされる一瞬でした。

(背景にアフガンで戦う兵士たちが・・・)


(イギリス国家斉唱)


(スコットランド民謡の「蛍の光」の演奏)


 これだけのビッグバンドによるバッグパイプの合奏、民族衣装の美しさ、舞台と照明など、視覚と聴覚に最大限に訴えかけるこのショーの素晴らしさは、生涯、記憶に残るイベントになると思います。




 2010年8月23日

コメント (2)
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