その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

塩野七生 『ローマ人の物語 13 ユリウス・カエサル ルビコン以後 (下)』

2010-09-21 23:38:01 | 
 カエサル暗殺の背景、暗殺後のブルータスら反カエサル派とカエサル派のオクタヴィアヌス、アントニウスの権力闘争、そしてオクタヴィアヌスとアントニウスの後継者争いを描く。暗殺そのものも劇的なドラマではあるが、大事がなされたあとの人々の思考と行動が、人それぞれの器、適性を如実に示しており、面白い。日本流に言うと、織田信長が倒された本能寺の変の後の、信長跡目争いを思わせる。

 それにしても、18歳の若さでカエサルの後継者として指名を受け、いくつもの権力、武力闘争を勝ち抜いたオクタヴィアヌの思案の懐の深さは、カエサルとは全く違った意味での迫力を感じた。
コメント
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