その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

シェクスピア・グローブ座 「ウインザーの陽気な女房たち」

2010-09-10 23:05:57 | ミュージカル、演劇
 先日、シェクスピア・グローブ座に「ウインザーの陽気な女房たち」を見に行きました。

 グローブ座は、シェイクスピアの芝居小屋を再現して造られた劇場で、是非行って見たいと思っていたのですが、なかなか実現しませんでした(春/夏の間しか開催されていないし、オンライン予約も結構席がいつも早く埋まってしまいます)。なので、「ついに来れた」と言う感じでした。


 中に入った途端、その独特の雰囲気に酔いしれます。劇場は想像以上に小ぶりで、舞台が手の届くようなところにあります。そして、プロムス同様、一番近くで見られる平土間の席は立ち見席。私が入場した時はもう多くの人が、平土間で劇が始まるのを心待ちに立って待っていました。


 観客席とステージが近いので、公演では、役者、観衆が一体となっていた独特の空間が形成されます。観客の笑いがダイレクトに役者に伝わり、役者は観衆の反応を一つ一つ確かめながら劇を進めているような感じです。同じ劇を観るのでも、「場」によってこうも雰囲気が違うものかとびっくりです。

 私のチケットは、1階椅子席ではあるものの、舞台袖の奥で、舞台には視界を遮る木が置いてあったりで、もうひとつ良く見えませんでした。なので、休憩後の後半では、平土間に移り、立って観ました。オペラでもパブでもいつも立って鍛えていますので、立つこと自体は苦になりませんが、この平土間席は、たとえ立つのが大嫌いな人でも是非、試してほしいと思います。俳優さんは目尻の皺まで数えられるようなところで演じており、迫力、面白さ抜群です。ナマナマ感が素晴らしい。この会場の反応のビビッドさは、ダイレクトに俳優さんの演技や気分に大きな影響を与えるでしょう。


 「ウインザーの陽気な女房たち」公演は、この会場にぴったりの明るく、楽しいドタバタ喜劇でした。テンポの良いセリフ回し、動きのある舞台。やっぱりシェイクスピア劇は喜劇が楽しい。
 
 俳優陣ではサー・ジョン・フォルスタッフを演じたChristopher Benjamin、フォード夫人のSarah Woodward とページ夫人のSerena Evansの熱烈演技は大いに会場を沸かせたし、そしてアン・ページ役のCeri-lyn Cissoneは可愛かった。


 また行きたいです。



 ※帰りはエムズ川沿いをウエストミンスターまで散歩。夜風が気持ち良かったです。

 川向うにセントポール寺院


 国会議事堂。


 ビッグベン。ピーターパンが出てきそう。



The Merry Wives of Windsor

by William Shakespeare
A revival of the 2008 hit

Directed by Christopher Luscombe
Designed by Janet Bird
Composed by Nigel Hess

Cast
Nathan Amzi Simple
Gareth Armstrong Evans
William Belchambers Slender
Christopher Benjamin Falstaff
Philip Bird Dr Caius
Ceri-lyn Cissone Anne Page
Barnaby Edwards Rugby
Serena Evans Mistress Page
Peter Gale Shallow
Michael Garner Page
Gregory Gudgeon Nym
Andrew Havill Ford
Gerard McCarthy Fenton
Jonty Stephens Host
Sue Wallace Mistress Quickly
Paul Woodson Pistol
Sarah Woodward Mistress Ford

Musicians: William Lyons, Paul Bevan, Robin Jeffrey, Sharon Lindo, Neil Rowland

Running time: 2 hours 35 minutes including an interval

コメント
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