その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

セブン・シスターズ (番外編)

2011-01-15 21:37:42 | 旅行 海外
 もう先週末になってしまいましたが、いくつか自分の記録用に撮った写真をご紹介。

◇ The Beachy Head Pub
 白壁のすぐそばにあるPubです。夕方、窓際に座ると、夕日が海に沈みゆくところを眺めることができます。雰囲気も落ち着いています。JazzのBGMが静かに流れていて、超まったりできます。食事も充実しているようでした。車でアクセス可能なので、この日はWalkingしている人は少なかったですが、このPubは結構、人が入っていました。完璧なデートスポットとしても活用可能かと。



※ 入り口には暖炉があり、寒さで縮こまった体には嬉しい。


 

※窓から見る夕焼けが美しかったです


※Pubのご案内HP(場所がわかります)

◇EastBourne海岸からの朝日(1月9日)
 泊ったB&Bが海岸の目の前。とっても綺麗な朝日を拝むことが出来ました

 

◇The Golden Galleon Pub
 セブン・シスターズ・カントリー・パークのすぐ近くにあるパブ。ビアガーデンが大きく、座席がいっぱいあります。雄大な丘陵と羊を眺めながらのビールは最高です。

※まだ、朝11時半なんですが・・・(1月10日)


※Pubのご案内HP

 以上、ご報告でした。
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ぶらっとひとり旅 セブン・シスターズ (2/2)

2011-01-14 22:59:10 | 旅行 海外
 セブンシスターズ違いだった前日の反省を踏まえ、こんどはしっかりリサーチの上、翌日再出発。朝から素晴らしい快晴。昨日の失敗は今日のために、神様仏様が仕組まれたのではと思うほど。

 9時20分のバスに乗って20分ほどでセブンシスターズカントリーパークの案内所前で下車。バス停前のビジターセンターは時間が早くまだ開いていないので、ネットの案内にあったとおり、歩き始める。

 ウオーキングには最高の日よりだ。この辺りは湿地帯になっていて、沼、大きく蛇行しながら進む川、草地が渾然一体となっている。国立公園の指定を受けているので自然のままで保存がされている。水鳥たちの宝庫だ。ただ難渋したのは、足元。もともとそうなのか、先週降った雨が残っているのかわからにが、泥々のぐちゃぐちゃ。一歩一歩足場を確認しながら前に進まないと転んで泥まみれになるのは火を見るより明らか。相当注意していても、何度も滑って転びかけた。加齢で最初に衰えるのは、反射神経なのだ。

  

 30分弱歩いて、ついに海岸線へ到着。ガイドブックで見たとおりのセブンシスターズの白い岸壁が見える。昨日の見た白壁よりも高さも長さもさらにスケールが大きい。遠くに昨日通った灯台が見える。快晴の空に白い岸壁が映える。遠くはすこし靄がっているが、かえってその靄が波のしぶきにもにた海と空との境界が神秘的に見える。

   

 周りを散策し、いろんな角度から眺める。これは間違いなく一度は見る価値ありの風景だ。家族や友人とのWALKINGグループや本格的な望遠鏡やカメラを持ったバードウオッチングの人たちがだんだん増えてきた。本当はあの白い壁の下まで行きたいのだが、時間的に難しいのが残念。

   

 しばらく楽しんだ後にビジターセンターへの帰路につく。帰りは多少遠回りになるが、足元を考え牧場沿いの多少高い道を選んだ。穏やかな春を思わせる日差しを背中に負って歩く。流れているかどうかもよくわからない川、どこからともなく聞こえてくる鳥の鳴き声、時おり頬に感じるそよ風、何を考えているのか尋ねたくなるような牛や羊の歩み、そうした空気に自分も呼吸を合わせる。自然と歩みはスローペースに。自分もこの世界の中に溶け込んでしまった気になる。本来の意味とは全然違うが「自然に還れ」(ルソー)ということが頭によぎる。休日ならではの素晴らしい時間だ。

  

 ビジターセンターで今さらだが地図を買い、「再訪して、別のルートを歩くぞ」と誓った。



※前日のビーチーヘッドのWalking、この日のセブンシスターズとその湿地帯のWalkingは、ロンドンからも近いので是非お試しください。素晴らしい経験が出来ると思います。

セブンシスターズカントリーパークのHP
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ぶらっとひとり旅 セブン・シスターズ (1/2)

2011-01-13 22:26:49 | 旅行 海外
 文庫本3冊をバックパックにいれて、週末の一人旅にでかけた。目的地はロンドンの南東、イギリス海峡を望むセブンシスターズ。有名なホワイトクリフを見るのが半分と、何となく自分の部屋とは違うところで読書がしたくなったから。

 休暇明けのせいか、ホテルも列車も思いの外安く、ホテルは40ポンドちょっと、列車は往復13ポンドで予約できた。昼前にロンドンビクトリア駅から列車に乗り、1時間半程で到着するイーストボーン駅で降りる。

 ここから更にバスに乗って20分程行くはずなのだが、準備しておいたネット上の地図とかガイドを不覚にも部屋に置き忘れてきたので、バスの運転手に「セブンシスターズに行きたいから、最寄りのバス停で降ろしてくれ」と頼む。

 バスに10分ちょっと乗ったところで、運転手が「ここで、降りて、この道をまっすぐ15分ぐらい行けばよい。」と言って降ろしてくれた。羊が草を食らうのどかな牧草地帯だ。たまに横を車が通るが、歩いている人と誰とも行きあわないので、多少不安になるが、運転手さんの言うとおり、15分で海岸線に到着した。いきなりホワイトクリフが現れてびっくり。

 

 生で見るホワイトクリフは、さすがに写真とは比較にならない迫力だ。近くのクリフは多少茶味がかかっているが、遠くになるにしたがって真っ白に見える。そこに、英国海峡の波が岸壁に荒荒らしく打ち付けられ、その音がすさまじい。「そうか、写真集の写真では音がわからないのだなあ」と、当たり前のことに気づく。そして、空中からは何の障害物に邪魔されない風が、波と一緒に壁と私にぶつかってくる。この岸壁は、まさにこの風と波とこの土地の地質による自然の芸術品なのだと得心し、しばし見とれていた。生憎、天気が回復傾向にはあるものの、曇り空だったので、色彩のコントラストはややぼやけたところがあったが、これが晴天であったら、さぞ素晴らしい色合いを見せてくれるのだろう。

 
 

 続いて、今度は岸壁沿いにWalk Pathがあったので、そこを歩くことにした。イギリスらしく、Walk Pathが自然のままで整備されているので、沿って歩くのだが、すぐ2,3m横には100M近くはあると思われる絶壁がある。吹き飛ばされそうな強風の中を歩くのは、かなりのスリルだ。日本なら間違いなく、岸壁側は杭と鉄条で立ち入り禁止区域になっているのだろうが、そのまま放ってあるのがイギリスらしい。自然のままで、危険は個人の判断で、ということなのだろう。

  

※これでは高さが全く分かりませんが、下は100m以上の絶壁です
 

 曇り空を反射しているのか、海は灰色に染まり、空と海の境界もわからず、波しぶきととともに、曖昧な灰色の色合いはターナーの絵そのもの。こうした風景を見ると、ターナーの絵がこういうイギリスの風土に根差したところから生まれているというのも良くわかる。



 このWalkingの素晴らしさは、海側だけでなく、海とは逆側の牧草地の雄大さが味わえることだ。ロンドンから1時間半来ただけで、こんな雄大な見通しと大らかでのんびりした雰囲気を味わえるのは素晴らしい。

 このWalk Pathはどこまでどう続いているのか?がわからず、だんだん日没の時間も迫って来て、暗くなり始め、かつシーズンオフということで人もまばらに見かける程度なので「引き返した方がいいのか、それともこのまままっすぐ進み続けるか?」、かなり不安になった。1時間半ほど歩いたところで、パブを見つけた時は、すっかり「注文の多い料理店」を見つけた猟師の気分だった。このパブはなかなかいかしていて(また別にご報告)、ビール一杯飲んでちょっと休憩。そして、パブ横にあった案内板で位置、方向を確認して再出発。結局、イーストボーンまで歩いた。総歩行時間2時間ちょっと、きっと距離にして8Kmぐらい。夕焼けに照らされる岸壁と牧草地の美しさは、いつまでも私の記憶に残ると思う。

 


※B&Bのパソコンでその日のルートを再確認。すると、私が歩いたところはセブン・シスターズではなく、ビーチーヘッドというところであることが判明。どうりで、「写真集の景色と若干違うなあ」と思った。ということで、翌日の午前中は読書から、セブン・シスターズ再挑戦となった。

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とある職場の風景 イギリス人男性は日本人女性がお好き?

2011-01-11 23:01:35 | ロンドン日記 (日常)
 前もってお断り。今日はとっても、独断と偏見に満ちた記事です。

 弊社の職場(オフィス)はイギリス人が85%、日本人の駐在員が5%ぐらいなのですが、駐在員と同じくらいの数の日本人現地採用の方がいらっしゃいます。 その日本人の現地採用の人は、主に、イギリス人と結婚されてこちらに定住されている女性社員ですが、とっても素晴らしい方ばかりですなのです。

 まず、皆さん、とっても仕事ができます。財務状況が厳しいこの会社では、高いお給料はお支払いできてないと思うのですが、いつも定時をすぎて残っているのは、駐在員とこの日本人ローカル社員の人ばかりです。一生懸命な働きぶりは、ホント尊敬です。

 それだけでなくて、人柄も皆さん良い人ばかり。愛想も良ければ、日本的な人を思いやる心配りや気遣いがあります。つまり、仕事のできる大和撫子なのです(オヤジっぽい褒め方でスイマセン)。

 そこでムラムラと生じる疑問・・・・・・

 「なぜ、こんな素晴らしい日本人女性たちが皆、イギリス人男性に取られているのか?日本の男どもは何をやっているんだ。喝!!!」

 流石に当人たちに向かって、「何で日本人男性よりイギリス人男性が良かったの???」なんて聞いたら、もう二度と口を利いて貰えなくなる可能性があるので、聞きたくても聞けていません。でも、これまで、彼女たちの英国人旦那さんには何人かお会いしたことがありますが、確かに、格好良くて優しそうな人ばかり。有名な英国人俳優のヒュー・グラントみたいな雰囲気の人と言えば良いでしょうか。まあ、これなら、素直に負けは認めざる得ないかなあ・・・・。

 ただ、パブでイギリス人同僚から聞いた話しですが、イギリス人男性には日本人女性ってとっても「ブランド」なんだそうです。日本人女性と結婚するってことは、「廻りに自慢できる」とのこと。なので、日本人女性と結婚して上手くいかなかったイギリス人男性も、また日本人女性を求める人が多いとか。

 話しが逸れますが、たしかヒュー・グラントが主演する"フォー・ウエディング"という映画だったと思います。「友人が日本人女性と結婚する」という話をヒュー・グラントが自分のおばあさんにしたら「ああ、あの残忍(Brutal)な民族ね」と言っていたのを見て、えらく驚きました。第2次大戦を知っているお年寄りはそうしたイメージがあるのかなあと思いましたが、そうだとしたら日本人のイメージも随分変わったものです。

 果たして、イギリス人女性に日本人男性がブランドになる日は来るのだろうか?ありえねえなあ〜。でも、一度、ケイトさん(ウイリアム王子の婚約者)から、夢の中でいいから、一度求婚されたい!!!アホだな、俺って・・・・
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とある職場の風景  図で考える人は仕事ができる?

2011-01-10 22:16:50 | ロンドン日記 (日常)
 このタイトルは、久恒 啓一さんというなんでも図解してしまうのが得意な方のビジネス自己啓発本のタイトルです。ただ末尾に「?」はついていません。

 企画書作成やビジネスプレゼンテーションにおいて、如何に事象やコンセプトを図やイラストを用いて、人にわかりやすく説明するスキルが、仕事を進めていく上で大切なことは、日系企業の共通ではないかと思います。私の日本の会社なんかは、「「絵」がうまく描ける人=企画力がある、コンセプチャル能力がある」ぐらいに考えている人もいます。まさに、「図で考える人は仕事ができる!!!」のです。

 逆に、こっちの西洋人は全然(??)、絵が描けません。なんか難しいことを、文書で延々と書いてくるので、なお難しくなるし、会議の資料でも、短いセンテンスが項目ごとに淡々と並べられたプレゼン資料が多いです。ローカルのマネジャーからの資料なので一生懸命読みますが、もしこれが日本人若手社員からのメールだったら、「ちょっと、メールが長いよ。こん感じの図を一つ描いて、中に数字を入れて貰えれば、一発でわかるんだから・・・」と教育的指導に走ること間違いなしです。

 そんなこちらの人ですが、会議とかで「要は、こういうことかい?」と、私がホワイトボードに図を描いて整理したりすると、「そうそう」、「さすが日本人」と分かったような顔をしてくれます。漫画文化の日本と契約書文化の西洋の違いが、こんな仕事の日常にも現れるのだなあと思っていました。そして、みんな図で考えれば分かるんだから、なるべくそうすれば良いのに・・・と。

 しかし、先日、パブでのイギリス人マネジャーとの何げない会話で彼らのホンネがちらり。もう数時間も飲んだ最中で、イギリス、フランス、アメリカ、スペインなどなどの同僚の仕事ぶりをいろいろ面白おかしく話していたら・・・

(酔っていましたので、きっと一部不正確な再現です)

A:「そういえば、日本人は絵を描くのが好きだよね〜」

私:「そりゃ、そうだ。日本の漫画文化は世界一。日本人はみんな漫画が描けるんだぞ〜。知らないの??」

A:「しかし、いったい、なんであんなに直ぐ図にするんだい?わけわかんないよ〜」

私:「図にすれば、難しいことも直感的、感覚的にわかるだろう。皆が共通の理解をもてるじゃないか」

A:「・・・・・・・・・・、感覚的に分かったってねえ〜。細部が分からなければ、分かったことにはならないんじゃないの?」

私:「・・・・・・・・・、まず全体のイメージをつかんで、それから細部を考えるじゃないのか?」

A:「・・・・・・・・どっちにしたって、契約書や文章に落とすんだから、別に図にする必要はないと思うけど。なんか日本人と打ち合わせると、絵を描いてなんとなく分かったような気になって、結局、細部はみんな全然違うこと考えていることが多いんだよね〜」

私:「・・・・・・・・・(そうか、こいつら、分かった振りして、全然分かってなかったのか!!!それどころか、なんでこんなことやるのかと、不思議に思われていた(馬鹿にされていた?)んだな〜。ショック!!!)・・・・・・・」


 彼は、図が描けないのではなくて(もちろんそれもあると思いますが)、そもそも「図が理解を助ける」とか、「必要だ」とは思っていなかったのです。これは、思考における大きな前提条件の相違ですから、「彼と話をするときには根本的に認識を改めねばならん」と感じた次第です。数字と図は万国共通語だと思っていた自分は浅はかだった・・・

 一口にグローバルビジネスといっても、かっこいい戦略論以前に、こんなパターン認識、発想方法の違いも理解しないと、「ああ〜、勘違い」の連続になります。

 しかし、なんとかして、彼らに心から「やっぱり、図で考える人は仕事ができる!!!」と言わせたい。

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シェイクスピア (小田島雄志 訳) 『ジュリアス・シーザー』 (白水Uブックス)

2011-01-09 18:46:46 | 
先日観に行ったロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの公演のための予習として小田島訳を読む。

いかにもシェイクスピアと言えるような、大見栄台詞のオンパレードで、面白いが多少肩がこる。

例えば・・・

ブルータス (第一幕第二場)
「それが少しでもおおやけのためになることであれば、
片方の目に名誉を、片方の目に死を突き付けるがいい、
おれはその二つを平然と見つめてみせよう。
神々にかけて言う、おれはこう見えても
死を恐れる以上に名誉を愛する男なのだ」

シーザー (第三幕第一場)
「・・・
だがおれは北極星のように不動だ、
天空にあって唯一動かざるあの星のようにな。
空には無数の星屑が散りばめられておる、
それはすべて火であり、それぞれが光を放っておる、
だが不動の位置を保持する星は一つしかない。
人間世界も同じだ、この世には無数の人間がおる、
すべて血肉をそなえ、理性を与えられておる。
だがおれの知るかぎり、その数知れぬ人間のなかで、
厳然として侵すべからず地位を保持するものは
一人しかいない。それがこのシーザーだ。
・・・」

そして、有名なシーザー暗殺後の、市民に向けたブルータスの演説とアントニーの追悼の辞。長いので引用はしないが、読み応えたっぷり。

それにしても、なぜ、この戯曲は『ジュリアス・シーザー』なのか?シーザーの台詞は第二幕第二場と第三幕第一場のみ。それに比べて、ブルータスは第1幕から5幕まで出ずっぱり。たしかに、シーザーを鏡に置いての、ブルータスの人であり、思想であり、行動であるので、シーザーがいなければ、この高潔の士ブルータスも輝かないということなのだろうか?
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ロイヤル・オペラ 『ヘンゼルとグレーテル』

2011-01-08 22:51:04 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 正月のラストイベントとして、ロイヤルオペラへ『ヘンゼルとグレーテル』を観に行きました。実は、まだロンドンに来たての2008年12月21日に同じ演目を観ているのですが、まだ赴任間もない緊張感による疲れもあったのか、今プログラムを見返すとメンバーは指揮のデイヴィス御大を初め豪華メンバーなのですが、公演自体はあまりピンときませんでした。なので、2年たった今もう一度見てみたいと思ったわけです。

 この日の公演は今年のオペラ初めとして幸先の良いとても素敵な舞台でした。こんなに美しい音楽だったとは全然気がつきませんでした。特に、私としては2幕が秀逸だと感じました。サンドマンの歌、祈りの重唱、2幕最後の管弦楽、いずれも優美でおおらか。幸せ一杯の気分にしてくれます。

 この日の指揮者はRory Macdonaldというとっても若い人でした。2年前のデイヴィス御大とは、音楽はまるで違う印象です。正直、ちょとスローすぎるんではと思うぐらい、ゆっくりと大きく音楽を作り、それが優美さを引き立てるような感じでした。家で2年前の出演者一覧のペーパーを見比べてみたら、今回は1・2幕で70分、3幕で50分と記載されていますが、前回は1・2幕で65分、3幕で48分となっていました。時間は音楽だけではないのかもしれませんが、さもありなんという感じです。

 演出は2幕の森の舞台が、森の深さ、暗さ、神秘さをとても良くあらわれていて、綺麗です。細部は前回と多少違いがあるような気がします。お父さんが大手スーパーのビニール袋を引っ提げていたり、魔女が歩行器を使ったりして、現代風に仕立てていました。あえて、難を言うと、私としては2幕の森の中のシーンで出てくるお姫様や妖精たちがディズニーっぽくてちょっと好みではありません。それと、第3幕で、魔女にさらわれて魔法に掛けられて、宙刷りにされている子供が出てきたり、魔女を焼却炉の中に閉じ込めて丸焼き(ケーキ?)になって出てくるシーンなどは、ちょっとグロテスクで、子供にはきついのでは???私にもちょっと・・・。

 歌手はスーパースターは居ませんが、皆さん十分なパオーマンスで楽しめました。

 年末年始の家族連れを引きこむプログラムだと思いますが、大人にも十分楽しめるオペラだと思います。

 





Hansel and Gretel
Monday, January 03 7:30 PM

Credits
Composer: Engelbert Humperdinck
Directors: Moshe Leiser and Patrice Caurier
Set designs: Christian Fenouillat
Costume Designs: Agostino Cavalca
Lighting design: Christophe Forey

Performers
Conductor: Rory Macdonald
Hänsel: Christine Rice
Gretel: Ailish Tynan
Gertrud: Yvonne Howard
Peter: Thomas Allen
Witch: Jane Henschel
Dew Fairy: Anna Siminska
Sandman: Madeleine Pierard§

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ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー 『ジュリアス・シーザー』 (RSC: JuliusCaesar)

2011-01-07 23:42:20 | ミュージカル、演劇
 前回の『アントニーとクレオパトラ』(こちら→)に続いて、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのロンドン公演をラウンド・ハウスに観に行きました。今回もローマものの『ジュリアス・シーザー』です。(HPはこちら→)

 つい今しがた観劇から帰って来たのですが、いまだ胸の高まりが治まらないほど、圧倒された舞台でした。私のこれまでの経験では、オペラ、コンサートに較べると、演劇を観て胸の高まりが治まらないという経験はあまりなかったのですが、今回は完全にやられました。

 まずは、出演者の熱演ぶり。特に、主人公とも言えるブルータス役のSam Troughtonが初めから最後まで血気迫る演技。まさに「高潔の士」ブルータスの見本を演じてくれた。4幕のキャシアスとの口論から友情の確認までの一連の場面などはジーンときました。あと、アントニー役のDarrell D'Silvaも癖のある大人のアントニーを上手く演じていて、青いブルータスとの好対照が上手く出ていました。

 舞台は、「アントニーとクレオパトラ」同様、特にハコモノは殆どないのですが、舞台の背景に映像を織り込み、終始、照明を落とした暗い舞台だったので、戦場やもともとの場面の凄惨さの雰囲気が上手く出ていました。また、戦闘シーンでの雄たけびの声、鉾と盾がぶつかる金属音などの音が舞台の迫力を倍増させていました。

 特に前半は、シーザーの暗殺の陰謀から、暗殺、そして有名なブルータスとアントニーの演説シーンまで、山場が続きとおしの1幕から3幕まで1時間45分ぐらいを一気に見せてくれるので、緊張感をもって見守る場面が続きます。前半見ただけで、「もう今夜は十分楽しませてもらいました」と帰っても良いぐらいでした。

 ラストシーンのブルータスの自死のシーンは、家来に殺させるのではなく、シーザーの亡霊が出てきてブルータスに止めをさすという設定になっていたのが、オリジナルと多少違う点でしたが、場、台詞は脚本をほぼ忠実に追っています。

 今日は満員。演目のせいか、今日の観衆は子供を連れた親子づれから若い学生風の人たち、ビジネスマン・ウーマン、ご年配の方々と、本当に幅広い世代が集まっていたのが印象的でした。英国の演劇文化の幅広さ、深さを感じました。

 月並みですが、いやー、よかったです。

※ラウンドハウスのBarコーナー


※カーテンコール(写真はぶれぶれですが、雰囲気だけでも)
  



RSC “JuliusCaesar”

7 February 2011
Round House

Cast
Joseph Arkley - Remus/Artemidorus/Octavius
Adam Burton - Cimber/Titinius
Brian Doherty - Decius Brutus/Poet
Darrell D'Silva - Mark Antony
Noma Dumezweni - Calphurnia
Phillip Edgerley - Flavius/Popilius/Antony's Servant/Volumnius
James Gale - Cicero/Caesar's Servant/Lepidus/Dardanius
Gruffudd Glyn - Cinna, the Conspirator/Young Cato
Paul Hamilton - Caius Ligarius/Messala
Greg Hicks - Julius Caesar
Tunji Kasim - Romulus/Lucius
John Mackay - Cassius
Patrick Romer - Murullus/Publius/Cinna, the Poet/Clitus
David Rubin - Trebonius/Lucilius
Oliver Ryan - Casca/Pindarus
Simone Saunders - Calphurnia's Servant
Sam Troughton - Marcus Brutus
Larrington Walker - Soothsayer/Octavius' Servant/Strato
Kirsty Woodward - Priestess
Hannah Young - Portia
Samantha Young - Soothsayer's Acolyte

Creative team
Director - Lucy Bailey
Set and Video Designer - William Dudley
Costume Designer - Fotini Dimou
Lighting – Oliver Fenwick
Movement – Sarah Dowling
Music - Django Bates
Sound – Fergus O'Hare
Associate Designer – Nathalie Maury
Fights – Philip d'Orleans
Video System Design – Alan Cox
Video Production – Tim Baxter


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塩野七生 『ローマ人の物語〈21〉危機と克服〈上〉』 (新潮文庫)

2011-01-06 23:30:52 | 
 この巻では皇帝ネロの死後、紀元68年6月から69年12月までのガルバ、オトー、ヴィテリウスの3名の皇帝の「混迷のローマ」1年半が描かれます。この1年半は、3皇帝が入れ替わり立ち替わり殺害・自殺・殺害され、「ライン軍団」と「ドナウ軍団」のローマ軍同士の内戦がおこり、ローマ人同士のローマでの市街戦が繰り広げられる、まさにローマの危機の時代でした。

 ただ、筆者は、「ローマ人の歴史とは、「危機と克服の歴史」と言い換えても良い」(p20)と言い、危機を繁栄に結び付けてきたローマ人が、危機を克服しても繁栄に結びつけられなくなった理由の究明が「ローマ帝国の滅亡の要因に迫ることではないか」と考えます。

 本巻は、この危機が描かれますので、それほどエキサインティングなものではありません。むしろ、これからの巻で、どうこの危機的状況を克服していくのかが楽しみです。
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ライ (Rye)日帰り旅行

2011-01-05 20:48:48 | 旅行 海外
 もう随分前のことのように感じてしまうのですが、5日前の大晦日に、中世の息吹きが残る街として有名なライ(Rye)に出かけました。年末・年始に訪ねてくれた家族との日帰りドライブです。

 一時の寒さこそ峠を越えた感じがあるイングランドでしたが、年末年始はずーっと曇り空続きで、ロンドンから2時間弱のドライブも、靄がかかったような見通しの悪い天候で、爽快なドライブには程遠いものでした。

 街自体は端から端まで500mにも満たないようなこじんまりしたところですが、落ち着いた風情の中に、チューダー様式の家々や石畳の道があったり、小さなアンティークの店が軒を並べているのは、いかにもイギリスの雰囲気が満載で、手軽で楽しい街歩きが楽しめます。

※Westストリート


※Mermaidストリート


 ただ、この日はちょっとブラブラするには寒かったこともあって、我々はもっぱらTea RoomとPubで時間を過ごしました。そのTea RoomとPubがとても素敵なものでした。

 最初に立ち寄ったのはセント・メアリー教会の前にある Tea Room “SIMON THE PIEMAN”(お店のHPではないですが、ご紹介HPはこちら→)。中は、2-4掛けのテーブルが6,7つほどある小さな部屋ですが、暖炉があって、店頭売りもしているケーキやティーパックではない葉っぱ入りのポット紅茶を出してくれます(イギリスのティールームでもティーパックの紅茶が出てくるところって結構あるんです)。

 暖炉で薪が燃える音と虫除け(?)の電光灯のモーターの音以外はひっそりと静かなTea Roomはとても気持ちを落ち着きます。時間がいつもの1/2速で流れているような感じになります。本や雑誌を持ち込んで、1日ゆっくりしたい気がしました。(何故か、写真をとってないので、あとでがっかり。)

 お茶のあとは、教会やアンティーク店をふらつきました。日本人の若い2人組の女性観光客がいらして、「かわいい~」としきりにウインドウを覗きながら言いあっておりましたが、その気持ちはとっても分かります。

※正面がセント・メアリー教会。右手がティールームです。セント・メアリー教会の時計は現在動いている世界最古の時計ということでしたが、本当?残念ながらハイストリートの写真も撮ってません。
 

 その後に、昼食をとりにマーメイドイン(HPはこちら→)という旅籠兼レストラン兼パブへ入りました。レストランも併設されていますが、気楽な食事をしたかったので、Pubにしました。



 このパブもとってもこじんまりしたスペースでしたが、暖炉で火が燃え、煙が噴出している部屋は、とても落ち着きます。一家でムール貝の白ワイン蒸し、牛のステーキ、フィッシュパイを食べましたが、どれもパブ料理とは思えないおいしさでした。入れ替わり立ち代り、地元の人や観光客が出入りしますが、皆、このパブの小部屋の風景の中に溶け込んでしまうような雰囲気にあふれています。暖炉の火が心地よく、暖炉付近に席取った私たちには、足に根が生えてしまい、動けなくなるほどです。暖炉の火って、どうしてこんなに心地よく暖かいのでしょう。

 

 結局、街には殆ど飲み物と食事をしただけなのですが、4時間ほど滞在しました。当初は、Ryeの後、近くの街Hastingや古戦場で有名なBattleとかにも立ち寄る予定だったのですが、このライの雰囲気があまりにも良かったので、そのまま真っ直ぐロンドンに帰ることにしました。

 是非、再訪したい町です。



(後日談)

Ryeから戻って、このブログとRyeに関連して2つもびっくりがありました。

1つめ、

Ryeから戻った夜に、本ブログを覗くと、普段コメントをいただいているsonyさんから新しいコメントを頂いていました。今までお互いRyeについては触れたことはないのですが、sonyさんは今年英国旅行を計画中で、Ryeには是非再訪したいとのこと。まるで、この日、私がRyeに行っていたのを見ていたかのようなタイミングのコメントで、こんな偶然もあるのだなあ、とびっくり。

2つめの、さらなるビックリは

これはまさに一昨日のこと。本ブログに何度かコメントを頂いているYoshioさんから、Mousetrapの記事へのコメントを頂いていました。そう言えば「年末年始にスペイン・イギリスを旅行されるのだったなあ。もう帰られたのかな。」と思い、Yoshioさんのブログを開いてみると、スペイン・イギリス旅行記がアップ済み。

すると、読んでびっくり。何と、同じ12月31日にRyeを訪問されているではないですか。それも同じぐらいの時間帯に、同じTea Roomに行っている。「もしかして・・・・あの日本人っぽい二人組の一人がYoshioさんだったのか・・・」。どうも、そのとおりだったようです。バーチャルな世界でのお知り合いなので、会っても通りすぎるだけの二人なのですが、偶然といえども、あまりの偶然ぶりに、心拍数が急上昇するのが、自分でも良くわかりました。

こんなことってあるのですね。まさに、ライに惹きつけられたご縁でした。

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VAT(付加価値税)増税で思うこと

2011-01-04 22:52:17 | ロンドン日記 (日常)
 今日は仕事始め。今シーズンの年末年始はカレンダーに恵まれたので、久しぶりにゆっくりさせてもらいました。なので、今朝の連休明けの出勤時には、準備にいつもより1.5倍ぐらい時間がかかるし、携帯電話は部屋に置き忘れるわで、習慣が持つ影響力の大きさ、大切さを改めて実感した次第です。


 今朝はテレビも新聞も、これまでの17.5%から今日を境に一挙に20%に跳ね上がる付加価値税(日本の消費税に該当)のことで一色でした。The Times紙は一面の見出しで「家庭の税負担額は年間600ポンド増加 (“Families to pay £600 more after rise in VAT”)」とし、中で具体的に何がいくらからいくらになるかを紹介しています。(私が最も影響を受けそうな、ビール1杯は£2.95から£3.02になるらしいです)

 この増税に追い打ちをかけているのが、鉄道各社の運賃値上げです。今年は平均で5.8%、ロンドンから南東部に向かう路線を提供するサザン・イースタン・トレーンは平均で7.8%、高いところは更に12.8%もの値上げになるそうです。ロンドン市内の地下鉄とバスも6.8%も上がります。

 なので、話が少し逸れますが、昨年末からの給与査定は結構難航したところがありました。こちらの給与システムでは、通常、通勤費は会社持ちでなく個人負担なので、社員にとっても死活問題なのです。(今日のTimes紙にも、定期券代が英国サラリーマンの平均給与の20%に上る人も居ると紹介しています)

 増税の是非はともかく、一外国人としてイギリスに暮らす身にとって、参考になるのはこの政府のアクションの早さです。日本並みの財政赤字を抱えるイギリス政府は、保守党政権になった昨年から、緊縮予算編成、VATの増税と矢継ぎ早に施策を展開します。いったい、イギリス以上の累積財政赤字を抱える日本が消費税の増税のみならず、抜本的な具体的なアクションをどうとってきたのかと振り返ると、少し恥ずかしくなります。

 そして、それは公共部門の政策にとどまらず、民間部門に身を置く私たちにもあてはまるのです。こちらに来て、何度現地のマネジャーたちから「何故、日本の本社はもっと抜本的な変革をしようとしないのか?」「幹部は何を考え、何をしようとしているのか?誰がこれを決めているのか?」と時には問い詰められ、時には愚痴られたことか。

 時として、「動かざること山の如し」が結果として、成功、リスクの回避(まさにリーマンショックの被害度の大きさ/小ささが物語っていたかもしれません)につなかることもあるかもしれません。しかしながら、公共・民間を問わず、日本に見られるのは、やはりアクションの遅さ、意思決定の不明確さ・不透明さとしか、いいようがない事象だと思います。

 私に今できることは、こちらの早い社内意思決定のプロセス、ノウハウを学ぶこと、そして外から日本の本社、支社などに働きかけることだと、思っているのですが、前者はともかくとして、後者はある程度システムとして出来上がっている組織カルチャーを変えていくのは容易なことではなさそうです。

2011年1月4日



※Times紙の記事。VAT上昇の歴史が図で紹介されますが、私が来た2年前は15%だったんです。


※各国の付加価値税ランキング。まあ、掲載基準が不明確ですが、英国は上から2番目、日本は下から2番目です(「やっぱり、日本はいい!?」と思いますか?)
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アガサ・クリスティ、鳴海 四郎 (翻訳)  『ねずみとり』 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

2011-01-03 14:52:27 | 
 昨日ご紹介した「マウストラップ」の原作です。200ページ弱の戯曲なので、2時間もかからないで読めます。英語で読んでもきっと、そんなに難しくなさそうです。この戯曲がどんな舞台になるのか想像しながら読むと、より舞台が楽しめます。この文庫版の表紙はちょっとおどろどろしいですが、中身は、スピーディでスリルはありますが、この表紙とは違ってもっとホンワカ、暖炉のそばで読んでいるような読み物です。

 何かに書いてありましたが、世界で一番読まれている(発行巻数の多い?)英文作家は、シェイクスピアではなくて、アガサ・クリスティなんだそうです。
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The Mousetrap/ ST MARTIN's Theatre (マウストラップ)

2011-01-02 19:56:21 | ミュージカル、演劇
 遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

 年末年始は泊旅行とかはせずに、ロンドンをベースにあちこちをつまみ食いに出かけただけだったので、結構、マイペースで過ごすことができました。

 今年の初記事は、そのマイ年末イベントの一つとして出かけたお芝居のご紹介になります。

 ロンドンのガイドブックには良く紹介されているのでご存じの方も多いと思いますが、ミュージカル・芝居で有名なロンドンでも最長のロングランを誇るアガサ・クリスティ原作の『マウストラップ』を観に行きました。なんと、1952年11月25日から足かけ59年のロングランです。1974年3月23日まではアンバサダー劇場で、そして同年3月25日月曜日からは、その隣にあるセント・マーティンズ劇場で上演され、現在に至っており、現在もその世界最長のロングラン記録を毎日塗り替えているというすごい作品です。

 劇場の外壁には記録を示すマークと、劇場内の狭いロビーにはその日の何回目の上演回数になるのかが掲示されています。

 これだけで気分は高揚してきますが、劇場内に入ると、そのセント・マーティンズ劇場の雰囲気に感動します。1916年にオープンしたという劇場は、濃い茶色の木造りの壁や装飾が、きっと当時もこのままだったのであろうという重厚な雰囲気を残している一方で、かつ3層構造(3階建)ではあるものの総座席数500名あまりのこじんまりした劇場空間は、アットホームで暖かい雰囲気に満ち溢れています。劇場内は写真撮影厳禁なので、写真でご紹介できないのが残念ですが、一度足を運んだらその魅力の虜になること間違いなしと思います。

 作品の『マウストラップ』はアガサ・クリスティが劇用に脚本として書いたものです。日本語訳も出版されていますので、事前に読んでおきました(1時間ちょっとで読めます)。話自体は大雪で孤立したゲストハウスで起こる殺人事件の謎ときですので、クラシックなミステリーとも言えますが、総登場人物も8名で、登場人物の役柄も明確ですので、話は分かりやすいです。クリスティの脚本では舞台設定まで記述があるのですが、舞台はそのままに再現されています。(犯人が分かってしまうという難点はありますが、出来ればあらかじめ原作を読まれた方がより舞台を理解できると思います)

 満員の観衆は、観光客とイギリス人の家族連れ・カップルが半々という感じでしたが、誰もが皆、気軽に楽しめるという点が、このロングランの秘密だと思いました。決して今風ではないですが、ロンドンの劇場文化の一形態として、是非、体験する価値がある公演だと思います。満足感一杯で、劇場を後にしました。

 ※公演のHPはこちら→

※セント・マーティン劇場


※劇場の外壁に掲示されている「世界最長上演ロングランの50周年記念マーク」


※劇場内の上演回数表示(2010年12月27日付け)



Directors: Stephen Waley-Cohen
General Manager, Production: Thomas Bohdanetzky

Cast
Mollie (Sasha Waddell)
Giles Ralston (Mark Hayden)
Christopher Wren (Gary Tushaw)
Mrs Boyle (a rather splendid Jan Waters)
Major Metcalf (John Lyons)
Miss Casewell (Claire Little
Mr Paravicini (Michael Roberts
Det. Sgt. Trotter (Ben Goddard – Joe Gillis in the 2008 Sunset Boulevard).

コメント (4)
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