アマチュア無線局 JO1KVS

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アマチュア無線の資格を取ろう

2011年04月26日 00時05分00秒 | アマチュア無線

 この度の震災では多くのインフラが麻痺し、有線電話、携帯電話、電気もガスも水道も、すべてダメ、という事態が起き、今もかなり不自由な思いをしている地域が多く存在するようです。このような状況になると情報源はラジオが精一杯。自分から情報を発信することはほぼ不可能で、歩ける範囲程度しか伝えたり聞いたりすることが出来なくなります。

 実際、隣の避難所に居る家族と連絡が取れず、それをつないだのは非被災地のパソコンが使える環境にあるボランティアの人達だったりしたわけで、現地では本当に何も出来ない、わからないのです。

 人間が出来る通信手段としては、身振り手振り、音、光、煙までなら誰でもなんとかなりますが、アマチュア無線を持っていると自力の電波での通信という、もの凄く有効な通信手段が使えることになります。

 ただ、アマチュア無線は、「電波や無線に興味のある人」が「自己訓練」という名目の元、資格与えられ、免許を受けた一定の周波数、限られた設備で無線で遊んでも良い、という制度です。遊びで電波を使わせてあげるけど、非常時には社会に貢献しなさい、というのが非常通信で、基本的にアマチュア無線は無線好きな人達の遊びの場です。

 なので最初から非常通信のために免許を取って設備を用意するのは発想も順番も逆ということになります。

 これはあくまで法律上の位置づけのことで、素人(つまりアマチュアの人間)が、ある程度の出力のある無線機を扱えるのはアマチュア無線しか無いわけで、仕事などの業務に使用しない限りは、一定のルールのもとで遊んでもよろしい、というものですから、とりあえず資格をとって設備を用意して、楽しそうならやってみよう、そうで無かったら非常時に引っ張り出そう、というのもアリといえばアリでしょう。

 実際に伊豆大島の三原山が噴火したとき、大島の住民の多くが内地に避難したのですが、アマチュア無線の免許をたくさんの島民が取得したのは有名な話です。

 免許を持っていない人は運用が出来ないので、免許を持っている人が居る、ということはとても大切な事です。だから資格はじゃんじゃん取りましょう。

 アマチュア無線は一対一の自力通信が基本です。どのくらい通信が可能なのかというと、見える範囲ならばどんなに遠くても可能。多少見えなくても数キロから数十キロは可能。電離層反射が使える短波帯なら国内、海外との交信が可能で、地球の裏側とも交信ができることがあります。ことがある、というのは電離層が常に変化するものなのでその時々のコンディションに左右されるからです。でも日中は7MHz帯で国内交信は安定して出来ますし、夜間なら3.5MHzでの国内通信が安定しています。今回の震災でも東北同士の交信が困難な場合でも、主に関西、関東の局がキー局となって、東北の局と多くの情報を中継していました。つまり被災していない地域との連絡も一発で取れるわけでそこからインフラを使って情報を伝達できるのです。目の前の通信手段が寸断されていても、たとえ孤立していても外部と連絡が取れる。これはとても凄いことなんです。

 というわけで、アマチュア無線の免許は取りましょう、さらに、近場での通信に有利な144MHzや430MHzだけではなく、国内の電離層反射による遠距離通信の可能な短波帯、3.5MHzや7MHzにも出れるように是非目指してください。

 免許の取り方はネット上にいろいろ情報があるので調べてみてください。東京では毎月飛び込みOKの試験が実施されていますし、全国年に数回、事前に申し込みが必要ですが試験が実施されています。また、講習会でも資格が取得出来ます。

 免許と言っても2種類あって、人が取得する免許、従事者免許は試験か講習会で取ります。一生もので更新はありません。設備の方に下りる免許は設備を用意して書類で申請するだけ。5年更新でいわゆるコールサインはこちらの方に付与されます。

 さて、いざという時のためにで始めるのは大いに結構ですが、無線ごっこは非常に面白いので、もし始めたらせっかくですから是非本来の「遊びの無線」もやってみていただければなぁと思います。

コメント (9)
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