富士山頂で移動運用してきました。
白山岳(はくさんだけ) (←わたし、しろやまだけ、ってアナウンスしてました。すみません。)
標高3756mです。
東京から見ると富士山頂上の右肩の部分です。
金曜日22日の午後に須走口駐車場に車を停め、夕方の16:30分に登頂開始。
今年でこのコースは6年連続となります。
いつもとても時間をかけて登っています。人の倍の時間でしょうか。
この時間に出て日の出の朝4時半頃までに頂上に着くのがやっとです。
歩幅も30~40センチ。トボトボと心臓がバクバクしないくらいのペースでゆっくりとゆっくりと歩きます。
亀作戦。これでも必ず山頂に着きます。逆に張り切った人は途中でリタイヤする率が高いかも知れません。
高山病はこの連続チャレンジで2回目、3回目、4回目は酷かったです。2回目の時は突然一歩も登れなくなり、その場でリタイア決定。下山道をかけ降りて行きました(心は半べそ状態で)。3回目4回目はなんとか回復。登頂成功しました。昨年の5回目チャレンジの時と今年は全く症状なしでした。
予防法は、水を常に多く摂ること。深呼吸を意識してたくさんやることです。症状が出たら風船を20回膨らます、という民間治療もあるそうです。(某山小屋直伝)
富士登山の苦労といえば下山時の膝の痛み。キリキリと痛み辛くて辛くて最後は後ろ向きにしか進めないほど。特に段を下りるのがツライ。1回目の時は下山道開始からすぐに斜度が辛くてまっすぐ進めず(下山道をジグザグに下りる)、まだそんなに進んでいないうちに膝が痛み始め、すごく時間をかけてやっとのことで降りてきました。これはイカンということでFT817を買ってから歩く距離の短い、かつ山頂移動が楽しめる山登りを月2回ほどおこなうようにしました。また両手ストックやサポーターなど効果のありそうなものも導入。そうしているうちに富士登山では膝の痛みが発生する場所が回を重ねるごとに下の方に移り、辛かった下山道もまっすぐ降りれるようになって、昨年は膝の痛みは一切出ず、下山のタイムもガイドブックのタイムを下回ることが出来ました。今年も多くの人に抜かれつつも膝の痛みも発生せず、最後の森林地帯では(以前は最もツライ場所でしたが)誰にも負けない速度が出せるほどになりました。あの痛みからは卒業出来たようです。
登っている間は144のメインを聞いていました。北関東のモービル局が普通に聞こえます。CQの上からローカル局を呼ぶ局(お互いに聞こえていない)が被ってCQの中身が聞こえずじまいとか、昔の下界のメインチャンネルのようでした。さすがに日付が変わったあとの時間帯は自分のローカル局とも歩きながら交信が出来ました。さすが富士山、見通しだったら楽々QSO出来ます。
移動運用は吉田口山頂で日の出を見た後、白山岳に場所を写して開始。
こんな景色が広がります。上空は快晴、すべてが眼下にあります。空に居る気分です。
リグはFT-817ND、アンテナはスーパーアンテナ社のMP-1です。一本のアンテナで各バンドに対応できるMP-1は便利です。バッテリーはLi-Po(リチウムポリマー)4セルタイプの容量5000mAhのもの(600g弱)を持って行きました。定格14.8Vですが、フル充電だと16.7V程度(実測)になってしまうので、急遽秋月電子で扱っている安定化電源キット(可変3端子レギュレーターのキット)を導入し、ケースに入れて仕上げて持って行きました。これで12Vで安定して給電することが出来るようになりました。この電圧をキープできれば5W運用が可能です。ちなみにLiPoバッテリーは私の知る限り、現在最も費用対効果、重量対効果の高い有難い充電池ですが、発火、爆発の危険のある取り扱い要注意バッテリーなので導入される方はよく調べて正しく使ってください。
午前6:30過ぎから運用開始。
昨年も感じましたが富士山頂はノイズが殆どありません。最高の環境です。
最初に18MHz、次に21MHz、24MHz、28MHzと進み、リクエストがあったので再び24MHzを運用しました。
マルチバンドで呼んでいただいた局長さんもいらっしゃいました。
主にグランドウェーブでしたが、Eスポによる5エリア、6エリアとも交信ができました。
面白かったのがRSレポート。出力が弱く、アンテナが貧弱でロケーションだけ抜群な当局には、皆さん強力に聞こえるので59が殆どですが、同じように富士山が直接見えて距離もさほど変わらないのに、55だったり59オーバーだったりとレポートが二分するんです。低い方は水平系のアンテナ、高い方は垂直系のアンテナだったようです。完全見通しのグランドウェーブでは偏波面の違による信号強度の差が明確に出るようです。
最後の交信が9:55(開始)でした。計3時間半弱、バッテリーは十分持ちました。
今回の移動運用はこれまで殆ど自分でもやったことのないHFハイバンドでの山頂移動。3700m超える高さからならグランドウェーブでも結構いけるのでは、しかも富士山頂からなら珍しいでしょうから、あえてチャレンジしてみました。
21MHzでは沢山呼んで頂きました。その後の24、28も沢山呼んで頂きました。クラスタにもアップされてパイルアップにもなりました。空気の薄い山頂、徹夜登山の後なのでバテてしまい、コールが途切れたところで終了させて頂きました。
ペディションデーなので「移動運用を楽しむハムの日、ペディションでーに参加しています」をアナウンスしながら交信しました。
お陰様で全70交信、交信していただいた各局、ありがとうございました。