以前自作した50MHz用電圧給電アンテナ、ローカル局のリクエストがあったので昨日城山湖で製作、調整を行いました。
このアンテナは、1/2波長のエレメントと給電部のコイルとコンデンサーによるマッチングセクションで構成されています。
コイルはヘアカーラーにポリウレタン線を巻いたもの、コンデンサーは1.5D-2Vを使いました。
エレメントは以前作ったアンテナと同じ長さにして決め打ち。1.5D-2Vを切り詰めてコンデンサーの値を下げていく方法で調整しました。
コンデンサーの容量は多めの状態で組んで、アナライザーでチェック。
どこかSWRが落ちていないか確認したところ、えっ?、40MHz周辺で少し下がっているポイントがあります。
ずいぶんと下の方です。おかしいなぁ・・・。
コンデンサーを切り詰めていくとこのポイントが徐々に高い周波数に動いていきますが、まだまだ6mバンドとかけ離れています。
そのうちこのディップポイントが浅くなってわかりにくくなってしまいました。あれあれ??
もう少しコンデンサーの値を下げていくと、6mバンドに近い48MHz辺りにもう一つのディップポイントが現れ始めました。
2ヶ所ディップポイントが並んだ状態に。
恐らく新しく見えたディップポイントが本物でしょう。
徐々にコンデンサーの値を下げていくと最初のディップポイントは消え、新しいディップポイントがハッキリしてきました。
面白い現象です。
ディップポイントをバンド内まで移動させることに成功。でもSWR最下点は1.5程度。このアンテナは帯域が狭いのでこれではイマイチ。もっと落としたい。もっとコンデンサーを小さくするとSWRの最下点は下がるのですが周波数も上がってしまうので目的の周波数を通りすぎてしまいます。
困った。
エレメントを伸ばせば多少は周波数を下げられるのですが、計算上の1/2λより長くなってしまうのはいただけません。これだとただ単にアンテナチューナーでSWRを落とすことになってしまうから。実際は短縮率やコイルによる短縮分があるので、3mではなくて、1割くらい短い長さが正しいはず。メーカー製も電圧給電アンテナは2.6mくらいですもんね。
そこでやってみたのが、先ほど巻いたコイルをちょっと密にすること。指でポリウレタン線を動かしてコイル若干密にしました。
すると、最下点周波数が下がると同時に、SWR最下点も1.0に近づいて来ました。バランスが良くなってきたようです。
ここからは微調整です。コンデンサーは0.5mm単位で切り詰め、最下点が1.0をキープするようエレメントの長さとコンデンサーの調整をします。不足する時はさらにコイルをぐいっと。
うまく完成。
アナライザーはAA-54。グラフが見れるので非常に調整しやすかったです。このようなアンテナ調整には最高です。