楽器や歌声の音の高さを聴き分ける、曲の耳コピに苦労する私からしてみたら、なんとも羨ましい能力だ。
別にミュージシャンに限らず一般人にもいるらしい。
また、その能力が度を越していると、音楽的な音に限らず、生活の中の雑音までもがドレミの音として聴こえるらしい。
それが苦痛と言う絶対音感保持者もいるという。
その絶対音感と種類は違うかもしれないが、記憶力の卓越した人間もいる。
受験用の暗記やクイズ的なもの以外で、生活面における些細な物事まで記憶しているらしい。
記憶というのは脳の海馬に蓄積されるらしいが、当然そのキャパには個人差、あるいは絶対的な限界があるはずだ。
経験したすべてのこと、五感から入るほとんどのことが、消されることなく記憶として海馬に蓄積されると、人間はどうなるのだろう。
別に覚えておきたいものだけでなく、忘れたいことまで自身の意思に反して記憶されるのだ。
それこそ脳がキャパオーバーでショートして爆発するのだろうか。
たぶん、どこかで保身本能のストッパーはかかるとしても、そこまで行くには相当な苦痛が伴うかもしれない。
そんなある意味、超能力的な余計な能力は要らない。
人間、普通が一番だ。
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