桜の季節になると父の命日がやってきます。
私が生まれた季節でもあり、大好きな桜が咲く季節です。
春爛漫、桜が開花し、木の下から花びらの眩しさを見上げたとき
大好きだった父が亡くなった年のことを思い出します。
生老病死
避けて通れないこと。
母が亡くなった後、毎日仏壇にご飯をあげ
手を合わせていた実直な父。
兄弟姉妹に慕われていた父。
私の子ども、孫たちからも尊敬されていた父。
母の三回忌を終え、3年経った頃に
義務を果たしたと、力尽きたように、
あっという間に亡くなってしまいました。
その時、急に私は
大海原を前に立たされている怖さを感じました。
ああ、私には、私を守ってくれる防波堤があったんだ…
両親が生きてくれているときには、
防波堤があるとは気付かなかった…。
父も母も、私にとって
私に勇気をくれる防波堤だったのです。
父が亡くなった、でも、大好きなこの季節、
薄いピンク色の優しさで覆われた桜の木の下に立つと
あの日の様に、時間が止まります。