木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

塗装

2009-03-13 20:29:31 | 木工
塗装は安全な蜜蝋ワックスを使いました。


蜜蝋ワックスをすり込むのに適当なものがないのですが、今回は布を使いました。
できるだけしみこませるため、たっぷり塗ります。


しばらく置いてから、#400の耐水ペーパーで磨きます。


最後に綿布で残ったワックスを拭き取って完了。


漆部屋で乾かし、乾いたら2回目を繰り返します。
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組立て

2009-03-12 21:17:32 | 木工
アームチェアの制作もいよいよ大詰め、組立です。


接着剤はボンド。のりを付ける筆や、はみ出したのりを拭く水と刷毛も用意します。
たたくゴムハンマー、近くのホームセンターでややこぶりなのを見つけました。


座板に前脚の片方と貫を差し


もう一方の前脚を組み


肘掛けを付けます。

後ろ脚は

貫を差し


座板・肘掛けと組みます。

さらに

背板を立て


傘木をかぶせてできあがり。
構造がシンプルなので組立は簡単ですが、この順番にしか組立てることはできません。
従って、分解するのもこの逆でしか分解できません。


傘木をハタガネで押さえてのりを乾かします。


4脚の組立が無事完了しました。明日は塗装です。

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鉋削り(仕上げ)

2009-03-11 21:54:32 | 木工
残った肘掛けと傘木を鉋で削って仕上げました。


肘掛けの側面と、  (先を薄く削ってあるので、傾斜をつけた添え木をあてて万力で挟んでいます。)


上面はわずかな丸みを持たせて削ります。


3組終了

次は傘木

断面に型紙を使って墨をつけていますが、目安程度です。


木口も丸みを付けて削ります。


4本完了。4本とも微妙に違いますが、まあいいでしょう。


部材の仕上げ削りがすべて完了。組み立てに入ります。

構造が複雑なので、組み立てる前に木地磨きをしておきます。

座板 


脚 特に平らな面は軽く当てる程度です。


研いだ粉は普通はエアーで吹き飛ばしますが、埃がいやなので掃除機で吸い取っています。
ホースの先に、先端から少し出してフェルトを貼ると硬いホースで木地に傷を付けずにすみます。


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肘掛け

2009-03-09 23:26:15 | 木工
今回一番の課題は肘掛けと後脚の接合・・・・・こうなりました。


ここまでは機械での加工


胴突き部の墨付けをして、胴付きとほぞの鼻を胴突き鋸で切り


鑿でこう掘ります。鑿が切れないと仕事になりません。


後脚との接合は、この2本が組み合わさり


こうなります。このほぞはあまりきつくすると肘掛けが木目に沿って割れてしまうので、軽くたたいて入る程度にします。
(実ははじめの1本をきつくしすぎ割ってしまいました。)
これで、肘掛けの上に乗ってもまあ大丈夫でしょう。もちろん上で跳ねたらだめですよ。
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兵庫県三木、そして神戸へ

2009-03-08 22:23:26 | 道具
兵庫県三木の千代鶴貞秀さんより電話をいただき行ってきました。


千代鶴さんは、時流に流されず、先代から受け継いだ技を守りさらに磨きをかけて本当に良く切れるカンナを作り続けておられます。

工房でしばらくお話しした後一緒に神戸へ
行き先は、西区岩岡の吉岡建築

そう、吉岡棟梁の工房です。
前におうかがいしたのは10年以上前


日曜日なので誰も仕事はされていませんが、前と変わらず、気迫が伝わってくるような作業場です。

倉庫にはたくさんの材木が

一見無造作に積み上げてあるこの板、幅1.2m、長さ4.5m厚み10cm 全面に縮みの入った栃の一枚板です。
この板の共木で座卓を作らせてもらうことになりました。

こんな板が

あちらにも


こちらにも
これらのほとんどは営林署等の入札で仕入れて材に挽いたものです。
内地の天然木(植林された材ではないもの)を使った家を安い値段で建てたいという思いからされています。
でもその良さをわかってもらえる人が少ないと嘆いておられました。

神吉さん(千代鶴さん)、吉岡さんとはもう20年以上のおつきあい。鉋や道具について、木について、仕事について・・・本当にいろいろなことを教えていただきました。
震災以来建築状況も様変わりしてしまい、鉋や鑿を使う仕事、伝統の技を引き継いでいく仕事がどんどん減っている現状の中でも何とかそれを残していきたいと頑張っておられます。
5時間ほどの時間があっという間に過ぎてしまいました。本当に楽しく充実した時間でした。神吉さん、吉岡さんありがとうございました。

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鉋削り

2009-03-07 22:58:22 | 木工
作業は続いています。
座板と後脚との仕口の加工は仕上げの鉋がけと密接な関係があります。
まず、


座板の表と裏を削り厚みをきめ


その厚みで脚の仕口を仕上げ、脚の仕上げ削りをして厚みを決め


その脚の厚みで座板の切り込みを仕上げます。これを逆にすると隙間があき強度が落ちてしまいます。

さらに

脚に貫の大入れのほぞ穴を掘り、残りの仕上げの鉋がけにかかります。


座板の周り(木端、木口)は、反り台鉋でわずかな丸みを付け面取りをし、

次に

後脚


前脚


そして背板


これだけ削るとさすがに少し腕がだるくなりました。

でもこの2.3日の仕事はこれだけで終わりではないのです。
あちこちのブログを賑わしている「確定申告」 私も出さなければなりません。


インターネットでフリーのソフトをダウンロードし

それに

今まで保存しておいた領収書類を整理し、打ち込んでいきます。
計算はPCがすべてやってくれるから良いのですが、領収書の整理が大変。
今年は毎月きちんと整理し記帳しておこう、と今は強く決意しています。
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内丸反り台鉋

2009-03-03 21:12:34 | 木工


まず刃を仕込み


台を反り台に削り


さらに、内丸に削ります。


内丸のRは約300mmにしました。面取りをして台は完成。
次は刃を台に合わせて丸く研ぎます。


グラインダで荒取りをした後、この専用の研ぎ台を作って研ぎます。
この研ぎ台、尊敬する神戸の吉岡棟梁に、昔教えてもらいました。


これで研ぐと正確に遂げ、良い刃がつきます。


内丸反り台鉋が完成


ちょっと贅沢な千代鶴貞秀作の内丸反り台の小鉋です。

切れ味は

最高です。


この鉋ですべての部材の胴張り部分の仕上げ削りをして仮組をします。


貫は強度を持たせるため、大入れにしました。


後脚を入れ


背を立てて


傘木を乗せて仮組完了


あと3脚組立てます。

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仮組 仕上げ削り

2009-03-02 22:20:22 | 木工
仮組は部分的に仕上げ削りや面取りをしながら進めます。


まず、後脚との接合部を加工


座板の周りをやや胴張りに削り面を取るとともに座面の仕上げ削りをします。


前脚が座板の木口に接合する部分は、座板の胴張りに合わせます。


後脚を嵌め、背を立て


傘木を背に嵌めます。うまく組めたようです。

いったん分解し、次は肘掛け

肘掛けを前脚にはめ


後脚を後から座板と肘掛けに嵌め込みます。
肘掛けのほぞは脚のほぞ穴に合わせ、胴付きは脚の丸みに合わせて削ってあります。


うまく入ったようです。


一番心配な場所だっただけにやれやれです。
いったん分解し、まだ仕上げ削りをしていない部材を削ってから組立てます。

その前に、今回胴張りを浅くしたので、後脚の背側の湾曲した木端を削るための鉋がありません。

小がんなの刃を使い、台を掘り直して作ることにしました。

刃の幅45mmです。


押さえ溝が掘れました。今日はここまで。

ところで

この押さえ挽き鋸。今は亡き京都の台屋さん、谷口伍三郎さんにいただいた大切な道具です。
谷口さんが仕事場を閉められる前、いろいろ教えていただいた際に他の台打ちの道具と一緒にいただきました。
写真に写っている台の勾配の定規も教えていただいて作ったものです。
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