木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

欅下駄箱 棚板

2011-05-13 22:17:56 | 木工
棚板は栗を使いました。

ダボの溝を掘り、背板との間には空気が抜けるよう隙間を空けました。


仕上げの鉋をかけて


棚板を入れると下駄箱らしくなってきました。


こちらのスペースは傘入れを兼ねています。そのため棚板にちょっと工夫をする予定です。


次は戸の制作。木取りをして動きを見ていた框材の木作りをしました。


今日は、新潟の平出さんが見えました。
ご近所の朝倉木工さん達や、一木一優の仲間も見え、しばし道具談議などに花が咲きました。
写真を撮るのを忘れてしまいました。
コメント (2)
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欅下駄箱 組み立て

2011-05-12 22:37:06 | 木工
いよいよ組み立て


全体の組み立てに先立って、脚部のみ地板に取り付けておきました。
後からひっくり返して付けるは大変だからです。


アジャスタベースもネジ止めしておきます。オイル塗装は昨日済ませておきました。


木地磨き。これも組み立て前にしておきます。サンダーはオイル仕上げの場合以外はあまり使いません。
集塵装置付きのミニサンダーですが、仕上げの鉋をかけてありますので、これで十分です。


どうやって集塵するかというと、付属の器具で、ペーパーに6個の穴をあけます。この穴から吸い取るのです。
これだけですが、穴をあけるとあけないのでは埃の舞い上がり方が大違いです。


背板のスプルースは、手で木目に沿って軽く磨きます。スリットの中も磨きます。

さあ、組み立て、

完了! 糊の乾く時間との勝負なので、写真を撮っている余裕がなかったのです。


反対側から。


ハタガネで締めて明日まで置きます。
天板のできるだけ内側を締めるのに使う予定のFクランプ、1mしかなく、長さが足りませんでした。
仕方がないのでハタガネで締めたのですが、板の端を締めると板が湾曲し、中央部の圧着が弱くなってしまいます。
今から思うと、いろいろ方法はあったのですが・・・。まあ、良しとしましょう。
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欅下駄箱 鉋削り

2011-05-11 22:27:29 | 木工

仕上げの鉋削り。まずは一番厄介な地板から。ここはさすがに堅いですね。


次は天板。一番目立つ所なのでしっかり削りました。


木口は板を立てて万力ではさみ、作業台に乗って、好みの胴張りに削りました。


地板天板の長い2枚が済むと、後は比較的削りやすい板です。


大量に削る時は、いろんな鉋を取り出して、切れ具合を比べながら楽しみます。


今回使った中で、一番はこれ、千代鶴貞秀作「比良の夕映え」1寸6分。
こんな節の部分でも何のその。巷で今人気の鉋も使ってみましたが欅をガンガン削るにはちょっと・・・


脚も好みの胴張りに。


平鉋で適当に目見当で削るので、良く見ればRはばらばらなのでしょうが、その調和が良い・・・本当は面倒くさいだけです・・・


欅のすべての部材を削り、最後は栗の棚板。欅をさんざ削ったあとに削ると、栗のなんとやわらかいこと。
あっという間に仕上がりました。

気が付けば外はすごい雨。珈琲を飲むのも忘れて研いでは削り、削っては研いだ4時間余でした。


あとは大量の鉋屑ができました。
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欅下駄箱 その4

2011-05-10 22:40:36 | 木工

背板の厚みにあわせて、小穴を突きます。昇降盤を使い6mmの溝切カッターで突き、


樋布倉鉋で合わせます。


引き戸を嵌める溝を掘る前に、天板と地板の幅を長台で削って揃えます。


15mmのカッターを使い、地板と天板に直接溝を掘りました。
重い板の加工は、なかなかの体力仕事です。


カッターでは掘れない端は鑿で整えます。


脚。地板には2枚ほぞで差します。
玄関のたたきにはわずかな傾斜がある場合がありますので、アジャスターを取り付ける穴もあけておきます。


下駄箱の側板のスリッパ立てを付けることにしました。
板を嵌めるための小穴をトリマーで突きました。
斜めの溝を左右対称に、しかも正確に掘るにはどうしたら良いかちょっと悩みましたが、即席の治具を作り解決できました。


溝の端を、左右同じ高さになるよう鑿で整え完了。


板を嵌めて地板に立てて見ました。良いようです。
スリッパを立てる板の傾きと間隔は、別の板で実際にスリッパを立ててみて割り出しました。


これで戸をのぞく部材の仕口の加工が完了。

こうして仕事をしていると時間があっという間に過ぎてしまいます。
仕上げの鉋をかけて、いよいよ組み立てにかかります。

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欅下駄箱 その3

2011-05-08 22:26:36 | 木工
 

固定式の棚板と、その棚板から下の仕切り板は溝をトリマーで掘り、


胴付きを付けた追入れ接ぎにします。


棚板と仕切りの収まりを確認するため一度仮組みをしてみました。
うまく収まりました。ほぞは抜くのに往生するので完全には入れていません。
この時、天板、側板、地板の背の木端に目違いがないことも確認します。


次は背板の接ぎ合わせ。厚み7mmの板に、2mmの雇い核をいれて接ぎ合わせます。


糊が乾いたら仕上がり寸法に切り、ルーターでスリットを入れました。下駄箱内の換気を良くするためです。


背板の仕上げ削り。鉋は2寸の「乱菊」。良く切れます。


この作業の間、他の部材は台車の上に一時避難。
この台車(リフトテーブル)、狭い工房内ではなくてはならない存在です。


一日の作業が終わると、厚めの古いタオルケットを掛けて、養生しておきます。
もちろん、道具もすべて片付け、掃除も毎日しています。

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欅下駄箱 木作り~墨付け

2011-05-06 21:27:54 | 木工
ゴールデンウィークとやらも関係なく木工三昧の毎日。下駄箱の制作にかかっています。

戸の鏡板の粗挽き

バンドソーで、厚み27mmの板を3枚に挽きました。
板の幅は405mm。このバンドソーで挽ける最大幅です。


プレーナーで荒削り。厚み7mmの板3枚がとれました。


荒削りをしておいた部材は、反りやねじれを見ながら木作り。

ここまでは機械削り。幅40cmの手押し鉋盤の威力は大きい。


仕口の墨付け。部材が大きいので正確に墨を付けるにはちょっとコツが要ります。


ほぞの墨付けが終わった帆立と仕切り板。

墨付けが終わると仕口の加工にかかります。

天板と地板にほぞ穴をあけました。角鑿盤はこんな使い方もできます。
あまり正確な穴はあけられないので、後で鑿で仕上げなければなりませんが・・・。


角鑿盤であけられない、板の中央部のほぞ穴は、ドリルで下穴をあけ、鑿で掘りました。


ほぞは、3段。


実際にほぞを嵌めて固さを確認。


主要な仕口の加工が完了。
こう書くとすぐにできたようですが、一枚一枚の部材が重いので、取り回しが大変。思ったより時間がかかってしまいました。
楽しみにしていた、明日のいーポート世屋のコンサートも諦め、なんとか納品日に間に合わせたいと思います。


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日野祭り 桟敷窓アート

2011-05-04 23:40:51 | その他
毎年5月3日は妻の故郷、滋賀県日野町の日野祭り。今年も行って来ました。
午前中は仕事をして、出発が遅くなってしまった上に名神の渋滞で、着いたのが5時前。


祭りも終わりに近く、御旅所から神輿も帰って来ました。

桟敷窓アートの会場も店じまいしていましたが、閉店間近の北川さんの日野椀の展示場をおじゃましました。

お椀の展示の横にはなにやらおもしろげな額が・・・
円広志の「ブラリ歩き」の取材を受け、もらった「となりの人間国宝さん」のステッカー。
放送は今日(4日)だったので、録画して見ました。
内容は、北川さんが副業として初めたギターの修理に関することがばかり。
円広志という男、「日野椀」には全く興味なしでした。

激安の塗りのスプーンをいただいて、次は、妻の小学校の同級生が営む「古美術の かく福」さんによって戻る頃には、
綿向神社に集まっていた山が、各町内に帰るところ。


ちょうど辻廻しをしていました。


京都の祇園祭の鉾は、青竹を敷いて水を撒いて回しますが、日野祭りの山は、てこを使って心柱のしたに厚板を入れ、車輪を浮かせて回します。


旧山中正吉家の前を行く山。こんな山が各町内にあるのですから、近江商人の財力はすごかったのですね。
その近江商人が主に扱ったのが日野椀なのだそうです。


綿向き神社を出て行く山。灯りがともされた山もまた風情があります。

この後、妻の実家で、湖国名物の「鮒寿司」などのご馳走をいただきながら妻の従妹達と楽しく語らい、夜遅く京都へ戻っってきました。
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欅下駄箱

2011-05-02 21:13:02 | 木工
岐阜のHさんから注文をいただいた欅の下駄箱の制作に取りかかりました。

まずは材選びから。

これは天板に使う、巾43cm、長さ210cm、厚さ4.5cmの欅の板。
この板、製材してから、20年以上は経っています。
反りをとると、おそらく仕上がりは3.5cm位の厚みになるでしょう。


これは帆立(側板)に使います。天板と同じ時期に製材された板です。
これだけの大きさの完全乾燥材はもうあまり手に入らないでしょう。


これは10年ほど前に購入した板。長さが3m以上あります。これから地板と仕切り板を取ります。


荒木取りは丸鋸を使います。
集塵機付きなので挽き粉が飛び散りませんが、すぐに集塵機が一杯になります。


こちらは棚板に使う栗。棚板は一部接ぎ合わせて作ります。

途中の写真は省略で・・・

木取りと荒削りができました。天板と地板、帆立と仕切り板、棚板の2枚までは一枚板です。


扉の框材。欅を柾目に木取りました。


こちらは残りの棚板用の栗。2枚接ぎ合わせます。


極めつけはこれ。扉の鏡板。
この板巾90cm、長さ1.5mほどありますが、厚みは1cm以下です。
こちらは30年以上たっていると思いますが、この薄さでほとんど反っていません。
これを切ってしまうか迷いもあるのですが・・・。


図面もでき、しばらく材の動きを見ながら仕口の加工に取りかかります。
納期が迫っているので、ちょっと焦り気味ですが・・・。
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