Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

夜叉

2014年01月04日 18時34分18秒 | 邦画1981~1990年

 ◇夜叉(1985年 日本)

 実はこの映画は予告編を劇場で観て、

 それ以来、なんとなく気にはなってたんだけど、

 なかなか観る機会にめぐまれなかった。

 で、ようやく観られた。

 でも、

 なんだか時代が逆戻りしちゃった観のある作品だった。

 たしかに1985年あたりっていうのは、

 男が男っぽく生きようと突っ張ってた最後の時代かもしれなくて、

 そういうことからすると、

 ここに出てくる健さんの人生は、とっても男っぽい。

 けど、あの時代にして、

 やっぱり、老年と中年と若造の男というものに対する考え方は、

 かなり違ってきてたのかもしれない。

 絵づくりはさすがに木村大作で、

 海やら雪やらまったく見事な仕上がりだった。

 ただ、

 物語がどうにもこうにも、

 ぼくの今いる世界っていうか時代とはちがってる気がして、

 ちょっと入り込みにくかったんだよね。

 まあ背中の刺青から「人斬り夜叉」とか呼ばれた男の、

 再生という主題はあるにせよ、

 結局のところは不倫相手のためにひと肌脱いじゃった男の話なわけで、

 う~んとおもわず腕を組んじゃうのは、

 もしかしたら、

 ぼくがおとなのおとこの世界がよくわかってないのかもしれないね。

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あ・うん

2014年01月02日 18時14分02秒 | 邦画1981~1990年

 ◇あ・うん(1989年 日本)

 高倉健と坂東英二の関係がどうにも不自然な気がしてならないんだけど、

 そんなふうに受け取るのはぼくだけなんだろうか?

 ぼくはテレビシリーズを観たことがないし、

 いつものとおり活字嫌いなため原作も読んでないので、

 この映画だけで考えちゃうんだけど、

 なんだか、

 健さんの感情をどう考えればいいのかよくわからない。

 女性の観客はこういうのもいいとかいうんだろうけど、

 そりゃあ、女性にしてみれば、

 自分には絶対に手を出さないで、ひたすら尽くしてくれるだけの存在、

 ってのは、まじ、ありえないながらもある理想のひとつなんだろうけど、

 生身の肉体をもっている男の側からすれば、

 こりゃちょっとできすぎだろ、みたいなことになる。

 結局、

 健さんにとって坂東英二は自分の恋心の隠れ蓑になってるわけで、

 もしも、冨司純子がいなかったら、

 はたしてこれほどまでに面倒を観ただろうかと。

 そういう下司のかんぐりをしたくなる展開であることはまちがいなくて、

 なんだか冨司純子にしても、坂東英二にしても、

 健さんの感情をよく知っていた上で、

 甘えている構図ができてるような感じが、

 ぼくにはちょっとな~とおもえちゃうんだよね。

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戦場のメリークリスマス

2013年12月24日 17時08分13秒 | 邦画1981~1990年

 ☆戦場のメリークリスマス(1983年 イギリス、日本 125分)

 英題 Merry Christmas Mr.Lawrence

 staff 原作/ローレンス・ヴァン・デル・ポスト『影さす牢格子』『種子と蒔く者』

     監督/大島渚 脚本/大島渚 ポール・マイヤーズバーグ

     撮影/成島東一郎 美術/戸田重昌 音楽/坂本龍一

     主題歌/デヴィッド・シルヴィアン『Forbidden Colours』

 cast デヴィッド・ボウイ トム・コンティ 坂本龍一 北野武 ジャック・トンプソン

 

 ☆昭和21年9月11日、森正男処刑

 兵庫出身、森正男陸軍曹長33歳。

 北野武演じるところのモデルになった人だ。

 ジャワ俘虜収容所第1分所・派遣第3分遣所虐待事件について起訴され、

 イギリス管轄のシンガポールにおいて裁判の後、絞首刑になった。

 連座6名で、

 阿南三蘇男中佐、森正男曹長、川井吉次曹長、

 植田忠雄大尉、倉島秀一大尉、島田蔵之助大尉が全員、処刑された。

 事件の全容について、その真実がどのようなものだったのかはわからない。

 けど、

 少なくとも、この映画の原作者ローレンス・ヴァン・デル・ポストは、

 かれらと接触していただろうし、森正男とはそれなりに親密な仲だったんだろう。

 それと、全員の遺書を読むかぎり、

 かれらは、絞首刑に対する恐怖もあっただろうけれども、

 一所懸命に耐え、家族と祖国への愛惜だけを伝えている。

 阿南三蘇男の絶筆は「有色人種の為に立て」というものなんだけど、

 おそらく、かれらはかれらなりに大東亜共栄圏の理想を追い求めてたんだろう。

 戦争ってやつは、人間を狂気に駆り立てるし、

 戦後、かならずといっていいほど、俘虜収容所での虐待が問題視される。

 でもさ、フィリピンで、死の行進とかって後に呼ばれた移動のときだって、

 飢餓状態になってる米軍の兵士を憐れみ、牛蒡を食べさせたら、

「木の根を食べろと強制された、これは虐待だ」

 と起訴され、処刑されたとかって話もあるくらいで、

 戦場っていう異常な場所で起きたことは何が真実なのかよくわからない。

 大島渚は、そうした常軌を逸した時代と場所を背景にして、

 男同士の恋愛感情を漂わせながら、ふしぎな青春物語を撮り上げた。

 いや、たいした映画だった。

 とはいえ、いまさら、この作品のあらすじや挿話とかを書いても仕方ない。

 ぼくは、これまでにかなりの数の映画を観てきたけど、

 溝口健二の『雨月物語』と『山椒大夫』と『近松物語』、木下恵介の『二十四の瞳』、

 黒澤明の『赤ひげ』と『七人の侍』と『隠し砦の三悪人』と『白痴』と『天国と地獄』、

 同黒澤の『羅生門』と『用心棒』と『椿三十郎』と『野良犬』と『影武者』と『生きる』、

 森谷司郎の『八甲田山』と『海峡』と『聖職の碑』、渡辺邦彦の『アモーレの鐘』、

 市川崑の『犬神家の一族』と『細雪』、野村芳太郎の『砂の器』と『八つ墓村』、

 稲垣浩の『無法松の一生』と『風林火山』、熊井啓の『千利休・本覚坊遺文』、

 小津安二郎の『東京物語』と『晩春』と『麦秋』、山下耕作の『戒厳令の夜』、

 小林正樹の『切腹』と『上意討ち』、岡本喜八の『日本のいちばん長い日』、

 黒木和雄の『祭りの準備』、斎藤耕一の『約束』と『渚の白い家』、

 鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』、河瀬直美の『萌の朱雀』、

 山本薩夫の『戦争と人間』、高林陽一の『本陣殺人事件』、

 山田洋次の『故郷』と『同胞』と『幸福の黄色いハンカチ』、

 内田吐夢の『飢餓海峡』、工藤栄一の『十三人の刺客』、

 川島雄三の『幕末太陽伝』、成瀬巳喜男の『浮雲』、

 増村保造の『遊び』、大島渚の『愛のコリーダ』、

 そしてこの戦メリを含めた50本に、かなり影響を受けた。

 もちろん、今あげた他にも影響を受けたものはあるし、

 それを並べたら、ベスト100とかになるのかもしれないけど、

 98本しかなかった、とかってことになったら困るから、50本にしとく。

 そんなことはともかく、戦メリだ。

 戦メリは渋谷東映の地下で観たとおもうんだけど、

 ぼくにしてはめずらしく、3回くらい観に行き、

 サントラとそのピアノバージョンまで購入するという入れ込みようで、

 もしかしたら、これ以後の日本映画は変わるんじゃないかとまでおもった。

 でも、全然、変わんなかった。

 なにがどう変わんなかったについては、ここで書かないけど、

 まあ、そういうふうに昂揚させてくれたってことにおいては、

 この戦メリは忘れ難い1本なんだよね~。

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シラノ・ド・ベルジュラック

2012年07月22日 00時41分11秒 | 邦画1981~1990年

 ◇シラノ・ド・ベルジュラック(Cyrano de Bergerac)

 

「このくらいの大きさの鼻の人はいるよね」

 っていうくらいのメークが功を奏したかどうかは微妙なんだけど、シラノの最期がやたら長いのと、いくらなんでも友人の代わりに恋文を諳んじてればバレるぜ、といいたくなってしまう。

 もちろん、そんなことういうのは野暮なんだけどさ。

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ハチ公物語

2010年01月30日 23時36分03秒 | 邦画1981~1990年

 △ハチ公物語(1987年 日本 107分)

 監督/神山征二郎 音楽/林哲司

 出演/仲代達矢 八千草薫 柳葉敏郎 石野真子 山城新伍 長門裕之 田村高廣 井川比佐志 山本圭

 △薄情さが主題?

 ラストカットの薄情さったら無い。

 よく知られた犬が駅前で雪に埋もれて死んでいるのに無視とかってありなんだろうか。登場人物もどれも薄情な印象を受けるのはどうしてだろう。日本人のペット観を皮肉った物と考えながら観てみると、なんも考えてないお涙頂戴物とは違って見えてくるような気もする。

 もしかしたら神山征二郎はそういう感想を抱かれるのを百も承知の上で、この大皮肉劇を撮ったんじゃないかとさえおもえちゃうわ。

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映画女優

2009年01月13日 16時33分05秒 | 邦画1981~1990年

 ◇映画女優(1987年 日本 130分)

 英題/Actress

 原作/新藤兼人『小説・田中絹代』

 監督/市川崑 製作/田中友幸 市川崑 脚本/新藤兼人 日高真也 市川崑

 撮影/五十畑幸勇 美術/村木忍 音楽/谷川賢作 ナレーター/三國一朗 映画史監修/田中純一郎

 出演/平田満、岸田今日子、井川比佐志、三條美紀、浜村純、沢口靖子

 

 ◇追悼市川崑その24

 映画の中で映画人が出てくるもんだから、それはそれで堪能できる。

 田中絹代:吉永小百合

 母ヤエ:森光子 姉玉代:横山道代 伯父源太郎:常田富士男

 城戸四郎:石坂浩二 清水宏:渡辺徹 五所平之助:中井貴一

 溝口健二:菅原文太 依田義賢:佐古雅誉 小津安二郎:小木茂光

 ていう感じだ。

 過去の映画フィルムが流れる際、スメタナの『モルダウ』の主旋律だけ奏でられるような気がしたんだけど、クレジットタイトルに入ってなかったから、勘違いかもしれない。

 吉永小百合の演技がちょっとばかり過剰な気もするんだけど、市川崑の演出なんだろか?

 まあ、そんなこまかいことはともかく、モデルになってる田中絹代の円熟味が増していくのは、この時代より後のような気もするのは、ぼくがそういう時代の人間だからなんだろね。

 凄いのは、50年以上の時を経て、上原謙と高田浩吉が本人役で出演してることだ。崑さん、さすがだな。

「心中をするつもりの先生と心中しよう」とする田中絹代が、クランクアップした後の川で迎えるラストシーンは、いや~じつによかった。

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おはん

2009年01月01日 09時35分37秒 | 邦画1981~1990年

 ◇おはん(1984年 日本 113分)

 英題/Ohan

 原作/宇野千代『おはん』

 監督/市川崑 脚本/市川崑 日高真也 製作/田中友幸 市川崑

 撮影/五十畑幸勇 美術/村木忍 衣裳/斉藤寛

 音楽/大川新之助 朝川朋之 主題歌/五木ひろし『おはん』

 出演/吉永小百合 石坂浩二 大原麗子 ミヤコ蝶々 常田富士男 横山道代

 

 ◇追悼市川崑その22

 たぶん、これが宇野千代の抱いていたっていうか、当時の日本的な男女の抜き差しならない関係なのかもしれない。

 まあ、それは現代でもひと皮むけばこんなものかもしれないけど。

 ただ、ふたりの女を対比するのに、ジトジトとトカラカラはとっても分り易いんだけど、主役の吉永小百合がいかにもジメジメと陰気臭くて、情欲にばかり貪欲な雰囲気が醸し出されてて、もうどうしようもなく陰湿な印象を受ける。

 こういう女は、旦那の石坂浩二だって困るかもしれないし、なんだか厭なんじゃないかな~とおもってみてたら、案の定、みょうちくりんな関係になってくる。

 愛人の大原麗子と一緒になったのはいいけど、だんだん本妻の吉永小百合の情にほだされ、愛人の眼を盗んで本妻と逢い引きするっていう関係だ。ほんまかいなってな展開なんだけど、これがやっぱり文学的情緒ってやつんだろう。

 原作を読んでいないから、かなりいい加減なことを書いてる気もするんだけど、最後の土壇場で、石坂浩二の屈託の無さというか、罪の意識の無さというか、なんにも考えてない表情は凄い。

 結局のところ、男の女の関係ってのは、こういうものなのかな~と。

 現実味を感じてしまった次第です。

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細雪(1983)

2008年12月31日 02時40分54秒 | 邦画1981~1990年

 ☆細雪(1983年 日本 140分)

 英題/The Makioka Sisters

 原作/谷崎潤一郎『細雪』

 監督/市川崑 製作/市川崑 田中友幸 脚本/日高真也 市川崑

 台詞校訂/谷崎松子 音楽/大川新之助、渡辺俊幸 琴/山田節子

 撮影/長谷川清 美術/村木忍 衣裳/斉藤育子 衣裳監修/斉藤寛

 方言指導/大原穣子 頭師孝雄 人形制作/桑原実絵

 出演/岸惠子 佐久間良子 吉永小百合 古手川祐子 伊丹十三 石坂浩二

 

 ☆追悼市川崑その21

 この映画を封切で観られたことに、喜びすらおぼえる。

 正に鬼才市川崑の代表作だとおもうんだよね。

 台風とか水害とか事故の因縁とかいった余分な出来事を排除し、斬新なカット割りと原色を浮き立たせる淡い色調だけで、姉妹の日々の静謐と欲望と軋轢と嫉妬と愛情を、浮彫にしてる。

 ちなみに、この作品は、和田夏十が手を入れた最後の作品で、その場面は、佳境、花見の回想に入る直前、小料理屋での石坂浩二と白石加代子の会話らしい。

 書きたいことは山ほどあるけど、まあ、ここでは書かない。

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竹取物語(1987)

2008年12月16日 01時34分33秒 | 邦画1981~1990年

 ◇竹取物語(1987年 日本 121分)

 英題/The Princess from the Moon

 監督/市川崑 脚本/菊島隆三、石上三登志、日高真也、市川崑

 撮影/小林節雄 美術/村木忍 衣裳/川上鈴雄

 衣裳監修/斉藤寛 衣裳デザイン/ワダエミ 特技監督/中野昭慶

 音楽/谷川賢作 主題歌/ピーター・セテラ『STAY WITH ME』

 出演/三船敏郎 若尾文子 沢口靖子 石坂浩二 中井貴一 中村嘉葎雄 岸田今日子

 

 ◇追悼市川崑その17

 どうも昆さん、SFファンタジーが好きな感じだよね。

 これまでにも『火の鳥』やら『つる』やらあったけど、やっぱり映像主体にものを考えると、そうなるんだろか?

 でも、なにも『未知との遭遇』にする必要はどこにもないわけで、月よりの使者は、やっぱり、当時の月世界に生きる者たちを考えて欲しかった。

 星の船についても同じだ。巨匠となってからはお仕着せの作品が多い気がして、なんとなく悲しかったんだけど、どうもそんなことはなかったみたいで、市川崑にとってかぐや姫は念願の企画のひとつだったらしい。

 プロデューサーの田中友幸も十年来の企画だったとか、まあ、宣伝の資料をうのみにすればの話だけどね。

 ただ、衣装だけは目の保養になったかな~。

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彩り河

2008年06月08日 01時07分15秒 | 邦画1981~1990年

 ▽彩り河(1984年 日本 125分)

 監督/三村晴彦 音楽/鏑木創

 出演/真田広之 名取裕子 平幹二朗 米倉斉加年 夏八木勲 吉行和子 沖直美 渡瀬恒彦 三國廉太郎

 

 ▽サスペンスだったのか!?

 清張が松竹セントラルで独りになったとき、死体をここに置かれてもわからないだろうなとおもったことが発想の始まりだったらしいが、そんなことはどうでもいいか。

 ちなみに、そうとう、あれは凄いらしい。

 というのは、名取裕子が濡れ場で絶叫するくらい逝っちゃう技だ。コヨリを尿道にそっと入れていくんだけど、こいつが、恐ろしいほどの快感をひきだすんだそうな。けど、なんだかマジに痛そうだし、尿道とか、炎症起きたらどうすんだよ、みたいな気がして、ためしてみたことがない。でも、でも、でも、すごいらしい。

 どれくらい凄いかは、ぼくにとって永遠の謎だ。

 でもまあ、そんな謎があってもいいよね。

 ところで、主題歌は歌手・真田広之!

 なんで、こんなことをくだくだと書いているかといえば、錚々たる面々の脚本なのに、おもわせぶりすぎる演出と、内容の陳腐さと展開にだれまくり、きわめてすっきりしない復讐の幕引きは、残酷さに閉口して苛立ちすら覚えちゃったからだ。

 映像も2h並みで、音楽も悪く、おもしろい点は、濡れ場の紙縒りだけというのが辛すぎるんだな。

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つる 鶴

2008年05月19日 17時18分55秒 | 邦画1981~1990年

 ◇つる 鶴(1988年 日本 93分)

 監督/市川崑 音楽/谷川賢作 ナレーター/石坂浩二

 出演/吉永小百合 野田秀樹 樹木希林 川谷拓三 横山道代 菅原文太 岸田今日子 常田富士男

 

 ◇追悼市川崑その8

 良くも悪くも御伽話。

『竹取物語』や『火の鳥』もそうだけど、市川崑という人は、幻想的な物語は好きだったんだろうか?

 舞台を彷彿させる演出中、川谷拓三は晩年の代表作といってもいい演技。

 鶴をCGで撮れなかったのは、まだまだそういう時代だったんだろうけど、素朴感はあるものの、興醒めの要因のひとつでもあるかと。

 吉永さんの鶴を意識した演技は、なんというか、一所懸命さは感じられる。

 まあ、山本安英の舞台を観たことがないからなんともいえないけど。

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将軍家光の乱心 激突

2008年04月25日 21時58分24秒 | 邦画1981~1990年

 △将軍家光の乱心 激突(1989年 日本 111分)

 監督/降旗康男 音楽/佐藤勝

 出演/緒形拳 加納みゆき 二宮さよ子 長門裕之 丹波哲郎 京本政樹 松方弘樹 千葉真一

 

 △命がけだからおもしれぇ

 馬がかわいそうやんか~とおもった。

 隠し砦は湯殿なんだろか?

 音楽を蔑ろにしてる印象が強いかな~と。

 織田くんは、この頃はまだ端役なんだね。

 でも、なんで、酔拳を使う中国人が家光の時代に雇われてるんだろ?

 そんな素朴な疑問なんてどうでもいいのかもしれないんだけど、まあ、なんていうか、役者はみんながみんなちからが入りすぎな気がしないでもない。まあ、時代を超越したプログラム・ピクチャーとおもえばそれでいいんだろうけど、なんだかなあ。

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疑惑

2008年02月11日 16時38分40秒 | 邦画1981~1990年

 ◎疑惑(1982年 日本 127分)

 監督/野村芳太郎 音楽/芥川也寸志

 出演/岩下志麻 桃井かおり 柄本明 加賀丈史 中谷昇 丹波哲郎 森田健作 真野響子

 

 ◎ヒントは別府3億円保険金殺人事件

 実はあんまり期待してなかったっていうのが正直なところで、観終わったあとも『事件』を彷彿させた。ところが、これがあにはからんや、おもしろかった。佳境の意外な展開もあり、裁判劇としての出来が良いんだ。

 鹿賀丈史のくだりが『事件』の渡瀬恒彦とかぶるような気もするけど、心理の綾と感情を込み入らせるのは、女性弁護士の方が良いかもね。

 ま、裏話はいろいろあるみたいで、脚本も原作をみずから脚色した清張の意見が通ったとか通らなかったとか。

 けど、それはそれとして、主役ふたりは熱演してたわ。

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危険な年

2007年08月10日 12時23分23秒 | 邦画1981~1990年

 ◇危険な年(The Year of Living Dangerously)

 

 観てすぐには、ピーターウェアのように異文化に理解ある監督にしても白人は自分らの目線が平等だと勘違いしてるんだろうか?とかいう印象を受けたもので、しょせん、共産党の大物に取材する出だしのほかは旧植民地での白人記者と大使館の職員の恋愛話にすぎないんじゃないか?ともおもったけど、あれれ、それだけでもないかなと、あとになっておもいおこす。そんな映画だ。

 モーリス・ジャールの音楽はさすがだね、雰囲気があってよろしい。

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童貞物語(1986)

2007年07月31日 11時56分20秒 | 邦画1981~1990年

 ▽童貞物語(1986年 日本 103分)

 監督/小平裕 脚本/掛札昌裕 企画/天尾完次

 プロデューサー/稲生達朗 仁保精一 磯辺春延

 撮影/加藤雄大 美術/筒井増男 音楽/たかしまあきひこ

 主題歌/古村比呂 A面『バージンボーイ』B面『プラトニック』

 出演/古村比呂 光石研 畠田理恵 イヴ もたいまさこ 沢田和美 八神康子 堤大二郎 千石規子

 

 ▽古村比呂&畠田理恵デビュー

 当時、東映大泉の作品は、脚本をつくる際、脚本家を旅館に入れた。

 東映がおもに利用していた旅館は、西荻窪の木村館、荻窪の藤吉、中野の福屋、新宿の常盤館、東銀座の熱海荘といったところで、いまでは熱海荘しか残っていない。ただ、もうひとつだけ、この時期に天尾完次とその一派の使用していた旅館がある。本郷の鳳明館だ。

 鳳明館は大きな純和風旅館で、本館のほかに台町別館と森川別館がある。本作は、その鳳明館で書かれた。早稲田大学映画制作グループひぐらしの有志による下書き原稿を、脚本家の橋場克彦が構成しなおし、掛札昌裕が書いた。鳳明館はこの作品の前後、数年間だけ利用されたが、天尾完次と稲生達朗しか利用しなかった。

 この古色蒼然とした旅館で仕上がった脚本は、後に公開されたものとはまるで異なる。主人公は菊池弘といって浅草の天ぷら屋の息子なんだけど、もちろん、東宝の若大将へのオマージュによるもので、ウインドサーフィンが趣味の大学生だ。

 御前崎や湘南が彼の庭で、ここで爺さんバンドと知り合い、その年老いた連中の恋物語に、主人公とその仲間たちが関わり、海とヨットとウインドサーフィンとバンドの物語が展開される。つまり、後に撮影された『童貞物語』とは全然ちがうやけに爽やかな話だった。

 ところが、この準備稿に横槍が入れられ、再準備稿が作られることになった。場所は、熱海荘。撮影は再準備稿を元にした決定稿で行われたんだけど、本来の準備稿による撮影台本で撮られれば、どうだったんだろね。

 さらにちなみに、映画の中で古村比呂が海辺でクラシックバレエを踊る、おそろしいほどに奇妙な、水着の挿入画面は、斜陽期の映画の、なんとも哀れというか、そこはかとない物悲しさを誘うけど、これは、のちに再撮影されてぶちこまれたカットで、もともとはなかった。

 まあ、映画というのは、そんなふうにして完成に漕ぎつけるんだね。

 大変だわ。

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