◇悲劇の将軍 山下奉文(1953)
なるほど、たしかにシンガポール攻略ののち、すぐに山下奉文は牡丹江に追いやられてるなあ。3年ぶりの転任もフリッピンだからなあ。それにしても、この映画に出てくる山下は優しいなあ。記録写真だと、もうすこし暴れん坊な感じで、パーシバルとかと交渉してるけどなあ。まあ、早川雪州だから、仕方ないのかな。
それにしても、みんな若い。岩崎加根子は、焼け出された女学生の役だけど、面影があるだけでまるで別人みたいに若いなあ。信欣三もそうで、幼い息子と植えながら逃げる若いお父さんの役なんだけど、若すぎる。でも、このあたり、フィリピンの密林のところなんだろうけど、大泉撮影所からすぐの平林寺の林にしか見えないなあ。
佐伯清の指示なのか、それとも音楽プロデューサーでもいたのか、ベルリオーズの「断頭台への行進」がえらく何回もくりかえされてるんだけど、これ、山下の最後を匂わせてるのか、それとも画面にあるように避難民の行進だからなんだろうか?