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少年探偵団 妖怪博士 二十面相の悪魔

2008年07月04日 20時25分28秒 | 邦画1951~1960年

 △少年探偵団 妖怪博士 二十面相の悪魔(1956年 日本 55分)

 監督/小林恒夫 音楽/山田栄一

 出演/岡田栄次 中原ひとみ 小森康充 宇佐美淳也 檜有子 古賀京子 南原伸二 山形勲 飛鳥圭美

 

 △撃っちゃいけない!

 ちょいと、驚いた。

 ぼくの知ってる怪人二十面相は子供のことが大好きで、だからまじめに怖がらせようとするんだけど、子供の命を取ろうなんてことはちっともおもってなくて、それだけは天地神明に誓ってそうなんだと、誰に対しても宣言しているなんともかっこいい泥棒で、徒党は組んでるけどお金儲けには興味はなくて、ただ世の中の美しいものを集める収集癖の講じた人間のはずだ。

 なのに、この映画では国際スパイ団の首領になってるし、子供に向かって機関銃をぶっぱなすし、なんでそんなことをしてんだよ。

 小林恒夫の演出がそうさせたのか、小川正がそんなふうに脚色してしまったのか、はたまた根津昇の企画がそうだったのか、ともかく、いくら東映が無節操だからって、いったい作り手として何を考えていたんだろう?

 もしかしたら、原作をちゃんと読んでないんじゃない?ともおもっちゃったりした。

 いや、そりゃ、ぼくは活字嫌いだし、世の中のほとんどの小説はほとんど読んだことはないけど、さすがに江戸川乱歩は読んでる。まあ、たしかに、映画は監督のもので、映画と原作は違って当たり前だし、作品の世界は監督だけが左右できることも知ってる。とはいえ、原作の心は受け継がないとね。

 そりゃまあ、山間の橋の特撮や洋館の美術は、当時としては大したものだともおもうけど、乱歩の基本設定をないがしろにしちゃったのは、なんとも遺憾としかいいようがない。

 ちなみに、明智小五郎は岡田栄次。

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