◇エクソシスト ビギニング(2004年 アメリカ 114分)
原題/Exorcist:The Beginning
監督/レニー・ハーリン 音楽/トレヴァー・ラビン
出演/ステラン・スカルスガルド ジェームズ・ダーシー イザベラ・スコルプコ ラルフ・ブラウン
◇ようやく完結
内容の繋がる1と2の過去に遡ることで、やっと繋がったとおもえば、なんのことはない。これはこれで独立した物語だった。
まあ、第1作の『エクソシスト』が傑作として名を残しているかぎり、いつかは誰かが作らないといけない状況になるのは予測はついていたものの、なんでアクション専門のレニー・ハーリンが監督をしないといけないのかって話だ。
けど、これはややこしい事情があって、もともとジョン・フランケンハイマーが監督するはずだったらしい。ところが亡くなってしまったために代役を立てねばならなくなり、それがポール・シュレイダーだったそうなんだけど、シュレイダーの撮った作品はあまりにも社会的な単調映画で、とても恐怖映画とはいえず、結局のところレニー・ハーリンが起用されてほとんと撮り直ししてこの作品ができたんだそうな。
シュレイダーの作品は『ドミニオン』っていうまったく別な作品として公開されたらしいんだけど、セットは同じだし、登場人物もほとんど同じだったりして、なんとも奇妙な展開になってる。
ちょっと、味噌をつけた観があるよね。
ただまあ、悪魔の為に村が分裂して全滅した上に或る筈のない教会が建てられているという設定だけは良だった。
それと、やけにカメラが好いんだよね。なんでこんなに色調が黄色っぽくて美しいんだとおもってたら、なんのことはない、大御所ヴィットリオ・ストラーロだった。なるほど、この映画のいちばんいいところは絵かってことにようやく気づいたのであります。