◎ジョーズ(1975年 アメリカ 124分)
原題/Jaws
監督/スティーヴン・スピルバーグ 音楽/ジョン・ウィリアムズ
出演/ロイ・シャイダー ロバート・ショウ リチャード・ドレイファス
◎才能の発露
28歳の若者の演出とはおもえない。
こんなに上手な映画だったかなっておもっちゃうくらい上手な演出だった。
たしかに、最初の惨劇が起こる前、浜の砂丘をレール移動しながら一枚ずつ服を抜いでいく女性をワンカットで撮ったところや、鮫取り船が出港していくときに、窓辺に掛けられている鮫の顎がその船を噛み砕いていくような印象を与えるカットとかは憶えていたんだけど、海水浴場の点描とロイシェイダーのモンタージュはまったく忘れてた。見事だった。シャッターを入れ込んだカットの切り返しで、不気味な海と気持ちの焦りが徐々に高まってくる。その後、ホオジロザメが出たという情報で、波打ち際まで駆けていくスローモーションもやっぱり見事だった。
まいっちゃうな、ほんと。
あ、ちなみに、この映画のサウンドトラックだけど、オリジナルと完全盤の二枚ある。ぼくの趣味としては、最初に出たオリジナルの方が好いな。完全盤は、時が経ってから別なテイクが発見されたとかっていうんだけど、なんだか無理矢理に使用されていないテイクをぶちこんだような気がするんだよね。そうじゃないのかな。