◎ベロニカとの記憶(2017年 アメリカ、イギリス 108分)
原題/The Sense of an Ending
監督/リテーシュ・バトラ 音楽/マックス・リヒター
出演/ジム・ブロードベント シャーロット・ランプリング フレイア・メイヴァー エミリー・モーティマー
◎ジュリアン・バーンズの『終わりの感覚』
いってみれば懺悔の物語なんだけれども、所詮男ってのはどうしようもない動物で、昔の彼女に再会するっていうだけで胸をときめかし、さらには髭まで剃っちゃったり、眼鏡をかけるのをやめたり、ともかく必死になってカッコをつけようとするんだろうか?ってことを自問しちゃうような話だ。
で、さらに男なんてやつはどいつもこいつもいつの時代もストーカーじみてて、いったん逆上しちゃうとリベンジポルノよろしく根も葉もない出鱈目な中傷や誹謗をしでかし、自分から去った彼女とその新しいオトコをどん底まで叩き落とさないと気が済まないんだな~っておもわせる物語だったなと。
まあそれにしても、昔の彼女のフレイア・メイヴァーの母親を演じたエミリー・モーティマーなんだけど、いやまあたいしたもので、娘の彼氏を寝取っちゃう凄さを可憐な天然さっていうオブラートに包んでいるところを上手に演ってたね。
そんな母親の産み落とした彼の息子、つまり自分の弟を育てて一生を送ってしまったシャーロット・ランプリングのすべてを諦めながらも見守り続けるっていう円熟みのある印象もなかなかたいしたものだった。この枯れながらも怒りを抑えてる感じは、やっぱり年の功なのかしらね。