◎鉄道員(Il Ferroviere)
いいのか。子供に葡萄酒を呑ませて。
ていうか、そうか、父親は50歳か…。あまりの厳格さに家族からも見放されて、娘の不倫の後始末にお金が必要になって、仲間を裏切るようにストを無視して機関車を走らせて、それで孤立して、酒場を転々として飲んだくれて、それを幼い息子が探し歩いて、それでもう体がぼろぼろになってて、クリスマスの夜に死んでいくんか。50歳で。暗い映画だったなあ。
でも、この映画、なんべん観たんだろ?
うちのステレオの中に、そう、日本ビクターのセパレートの蓋をあけると16回転や72回転の設定のつまみがあるやつ、その中に、この『鉄道員』と『ブーベの恋人』と『刑事』と『禁じられた遊び』のサントラを入れたやつがあった。台詞つきで、もう擦り切れるくらい聴いた。エドアルド・ネヴォラとピエトロ・ジェルミのやりとりは、いまも耳にこびりついてる。