◎生きる LIVING(Living)
黒澤のと何処がちがうんだ?単純に撮影と演技が進歩しただけで、本質は変わらず、オリバー・ハーマヌスの演出とカズオ・イシグロの脚本はほとんどそのまんま、画面の構図もおんなじ。観る価値を教えてくれ。
ビル・ナイは道理のよくわかった紳士に見えちゃうし、トム・パークも羽目を外せない好人物に見えちゃう。それじゃダメで、もっと落ちぶれた市民課長も落ちぶれた作家じゃないと、人生の皮肉も残酷も空虚も伝わらない。
なにより、スコットランド民謡のナナカマドの歌じゃだめなんだ。浜辺のストリップ小屋すらら格調高い。あかん。もっと不潔で猥雑で下品わじゃないと。
ただ、エイミー・ルー・ウッドに、余命いくばくもないことを告白するところから面白くなってきたんだけど、やっぱり菟はクレーンゲームで取るのはあかんよ。おもちゃ工場で作ってて、こんなん作ってても楽しいよと生きる意味を無意識に示唆してあげないと。
カズオ・イシグロ、下手だな。
てゆーか、わかってないな。
仕事し始めた途端に葬式って、いやまじ、そのまんまじゃん。真似乞食は、あかんだろ。おまえたちの『生きる』を撮れよ。
アレックス・シャープと付き合うのと、手紙を遺したくらいが変わったところかな?まいったなあ。でもまあ最後はちょっとうるっとしたけど。
黒澤明の凄さをいまさらながら感じるわ。