△詩人、愛の告白(Confession d'un enfant du siècle)
ジョルジュ・サンドとアルフレッド・ド・ミュッセの恋愛劇。雰囲気を味わえば充分。それなりにセットもカメラもいいしね。
ま、多弁になるけど、それはそれで、ミュッセは詩人だし、言葉の花が咲き乱れて、かたっぱしから散っていくのは、それでいいかなって。
サンドを演じてるのは、シャルロット・ゲンスブール何だけど、なんだかむかしの面影が先行しちゃうなあ。
しかし100年前のこの時代はコルセットで脱がすのも脱ぐのもましてや付けるのはひと苦労で、逢引するのも楽じゃなかったろうに。まあ、それはそれとして、サンドは最初とにかくよそよそしい。人の噂の的にされるのが嫌でミュッセとの恋愛をためらってたっていうんだけど、まあ男と女の仲になっちゃうと、コルセットなんかまるでしめないし、階段だろうがベッドの上だろうが、こうもじゃれ合うもんかねって感じになるし、男の無神経なうわつきと女の嫉妬は、ほんと、どれだけ時代が変わってもおんなじだっていってるのかなあ。
ただまあ、年上だってことを気に病むサンドの痛々しさはつらいなあ。
この映画がつまんないのは、サンドもミュッセも仕事をしてないことで、好いた惚れたの一点張りで、恋愛の理屈をこきあうのに終始してるのはさすがに飽きる。もっと創作の苦労を出した方がよかったんじゃないか?