◎卑弥呼(1974)
阿蘇に風が吹き上げて、雲を渦巻かせる。好いショットが撮れたもんだ。それにしても予算がとことんなかったのか、粟津潔が舞台のように前衛的なセットにしてる。これはお見事だし、阿蘇山のロケとかはロケセットをほとんど無しにしてる。まあ流木とかでセットめいたものにしてるんだけど、これもこれで見事だ。
しかしあらかた三國連太郎の独壇場なんだけど、ラストの前方後円墳はどこなんだろう?つぎつぎに古墳が出てくるけど、いやまあ、むざんに開発されまくった前方後円墳まであるんだね。
ま、なんといっても体当たりで見事なのは岩下志麻の演技なんだけとね。いや、横山リエと、おもいきり端正な草刈正雄の演技も好い。小林芳雄が照明助手、小栗康平が助監督。そういう時代なんだね。