Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

最近のドローイングから99.

2014年10月19日 | drawing
 このスケッチは、熊本の社員寮のプロジェクトのために描いたもので、もちろんプランニングされた上で描いている。何が必要だったかというと、実際に建てた場合の居住面積と居住定員だけ。手がすべって設計までしちゃったが。もちろんこのプロジェクトは、提案だけで終わる。私の関心もそこであっさり切れてしまった。
 私は経歴をつなぎ合わせると、一応建築設計を教え、一級建築士であり、建築設計事務所にいたという普通の建築教員のキャリアもあるるので、住宅位の設計は簡単にできちゃう。住宅設計の自由度というのは、土地の広さや形状に左右される。それにしても住宅設計・・ああっ、なんとも古くさい19世紀的言葉だこと。
 大学を出て建築設計事務所に勤めてわかったことは、建築は敷地境界線の奴隷なのだということ。敷地境界線が科学的検討の結果ひかれたというならばまだしも、実際は人間の気まぐれ的営為の産物だから、そんなものに影響されるようなデザインは、ごめんこうむりたいと思い、建築を捨てて大学院で環境デザインの世界へ進むことにしたわけさ。
 要は建築素材と周囲の文脈とに日々精進している建築家と、私のように建築に興味がない人が設計したのでは、やはり納まり方が違うと思うな。つまり建築家的見方をした場合の迫力の違いとでもいおうか。それでも、そのへんの建売住宅よりはましだと思うけど。
 あなたは、そんな私に住宅設計を依頼しますか?。私は、現代作家風でもポストモダニズム風でも、ニューアーバニズム風でも 、或いは京町屋風でも、なんでもつくっちゃいますけど。そういうフレキシブルなところが建築デザイン。私の設計手法を一言で言うと超割り切り型、学生時代からその根性は変わらないですね。

イエローブック2005年
コメント
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