フィリピンにNIKKAの土地がある。
それも農村のまっただ中にある低湿地帯であり、水害の恐れどころか毎年河川が増水し浸水する。すごい土地だな。だが私は、予め日本地理学会の論文を読んでいたので、この地域が浸水の常襲地帯である事は知っている。海岸側に国際空港の建設が始まっているようだ。
そうなると次は家をつくれという。というので小さな家の建築基本設計をしていた。敷地も入れてA4サイズ以下にしてEMSで送るから、建築模型は煙草2個分の大きさ。全く小さいぜよ!。久しぶりにミニチュアモデルの製作だ。
NIKKAの土地が浸水するといわれても何メートルの浸水かがわからない。だれもこれを数値で教えてくれないのだ。そこで私の記憶を探ると新築民家は1m以上床をあげている家をみた記憶がある。
ならば1.2mに床をあげて高床式の民家にしてみよう。この根拠はない。わからないといえばフィリピンの建築法を部分翻訳してもわからない。わからない事だらけだな。
そんなわけで基本設計は高床式にし、キッチンとダイニングを屋外に設け、その他は居室とするプランとし、一つの大屋根で覆った。日差しが強いから大きなテラスを設け軒の出を2mとしたフィリピン人がここで過ごす時間が一番多いと推測できる。これで強い日差しは遮れるだろう。降雨量が多いから屋根は曲面で処理している。窓は雨水の処理があるから外壁の外側に設えよう。メンテナンスを考慮し戸袋は木製だろうか。そして構造は壁構造でありコンクリート打ち放し及びモルタル下地とし、屋根はシランコートを塗るんだろう。
こうした至極明解な構造に落ち着き、それがトップ画像に挙げた制作途中の模型である。この3番めのCプランがいまのところ有力的かつ現実的なのだが・・・。
ここへくるまでに3案制作した。その話しを続けよう。
Cプランの平面図(元図は縮尺1/100)
Cプランの断面図(元図は縮尺1/100)