Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング958.小説:小樽の翠863.超遠距離通勤

2025年02月01日 | field work

 さてアチキの名古屋の大学の仕事も終わった。セメスター制の大学は1月末になると、すべての授業が終わる。あとは期末試験だがアチキの出題は実習なので期日までに作品を提出せよとした。だからしばらく時間がある。さて翠が待つ小樽へ帰ろう。午前中大学の雑用をかたづけ中部国際空港へ向かう。
 新千歳行きは15時45分か・・・。北へゆく旅人達はブーツにダウンコートをぶら下げた姿が多く、そんな光景を見ながら空港で待つ気分は旅時間という刺激と安堵感がある。こうした感覚が超遠距離通勤ならではである。
 実は名古屋港から苫小牧までフェリーがあるが一泊二日かかるから、乗りたくても早く翠の顔を眺めようという欲望が優先する。
 飛行機は100分で新千歳空港に着く。一目散にゲートを出て中央階段を下り、JR改札口を抜け階段を降り、発車間際の快速エアポート145号に乗れた。オイオイ飛行機から鉄道の接続で9分というのはつらいぜ。列車が動き出したら、翠にメッセンジャーでチャットを入れた。
"今、新千歳を出た。帰るぞ゛ーーーー"とだけ書いて・・・。
 最愛の女が待つ街に帰る気分は、距離に比例して大きくなるとアチキは確信している。これが満員の通勤電車で1時間なんていう近隣の郊外の街暮らしだったら、愛情もそこそこでしかない。やはり地球上の離れた場所から飛んで帰るからこそ、愛情も深まるのだろう。
 さて今月もしばらく翠と千々に乱れながら、小樽の冬を楽しもう。なんといってもアチキには、一番綺麗な風景が広がる冬の真骨頂の小樽だ。雪を含んだ白い空気の塊が建物の間を通り抜け、海は白波が立つほどに荒れている。街は雪の下といってもよい。そんな環境の全く違う2つの街を行き来するのが、変化と刺激があって面白い事を発見してしまった。だから超遠距離通勤の魅力にはまっている。
 車窓をみると北海道の平原に薄明かりが見える。それは街の灯りだろう。空には星が出ているから今日は晴れていた。だが明日からまた降雪予報だ。多分今年も豪雪で三日ぐらい交通のラインが途絶えるかもしれない。そうなれば大学に行かなくてすむ。もっと雪が降ってほしいと思いながら、静かにゴトゴトと雪をかき分けるような音きたてながら、ナンタルにむかって列車はトロトロと走っている。
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