昔から、写真は引き算だという言葉がある。テーマを絞る、画面の中に余計なものを入れない、背景をボカス、そしてもう一つ、漆黒の闇の中に隠してしまう、という方法がある。最後の方法はトライ-X増感現像が得意とするところだ。
もちろん夜でも真昼のように撮せるデジタル機材でも、スポット測光にして被写体だけに露出を合わせてロックすれば漆黒の闇も撮れるだろう。だがトライ-Xは、簡単に、惚れ惚れとする漆黒の闇をつくりだしてくれる。その黒の色がよいと思う。だから民家などには眼をつぶり、ひたすら光と影だけを追いかければよさそうだ。
もう一つ貢献する要素をあげればPhotoshop。実はこのトーン、コントラスト、カラー(デュープはカラーでおこなっている)のオート補正がプリントに焼き付けたような素晴らしい黒にしてくれる。フィルムとMacの画像処理ソフトで、魅力的になるのは面白い方法だと思われる。
それにフィルムだと、無駄な撮り方をしない。だから36枚撮り1本のネガから使える画像がそこそこ出てくる。そんなわけでしばらく何十年も使い続けられる機材を用いて、つまりエシカルな方法にはまりそうだ。冬の京都など、この方法が適しているようだ。
それにしても、ダイエットで痩せた身体には、冬の寒さは厳しい。もう家に閉じこもっていたいぐらいだ。
緊急事態宣言が出される1ヶ月前の祗園である。
京都市東山区祗園
ニコンF3HP+MD4、Tri-X増感、CarlZeiss Distagon25mm/F2.8T*ZF
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