

警戒をあざ笑うように5匹目の飼い犬ヒグマに喰われる。2019年 知床、羅臼町の 犬喰いクマその後 。
前回の犬食いクマの後日談。箱わなを仕掛け、ハンターたちがこの犬食いクマを捜索していた。
その後、犯人と思われるヒグマと接近遭遇したハンターともう一人の男性は眼前の藪のなかでうなり声を発するヒグマを前に、後ろを見ずに後ずさりして転落、大ケガを負ったという。
ヒグマは道路を横切って遁走するのを複数の住民に目撃されている。
その後 2019-8-3(土)12時30分ころ、同じく羅臼町春日町でいつもとは違う飼い犬の鳴き声がしていたが、午後4時30分ころ、その犬を繋いでいた鎖がちぎれて犬が行方不明になっているのを発見したと世帯主の男性が町役場に通報した。
地元ハンターらが周囲を探索すると喰われた犬の残骸とヒグマの糞が発見された。
これで昨年から合計5匹もの飼い犬が羅臼町でヒグマに喰われたことになる。
DNA鑑定では犬4匹は同一ヒグマによるものと断定され、今回も糞のDNA鑑定を急ぐというが恐らく同一のヒグマと目されている。
クマよけ電気柵に期待したいところだが、ヒグマがその気になればクマよけ電気柵の下を掘って突破するのは容易だという。
そうすると屋外に繋いだ飼い犬を電気柵で囲うだけでは不十分で夜間は犬を家の中にいれておくしかなさそうだ。
対策に行き詰まった知床財団では、苦肉の策として犬小屋のまわりの雑草を刈ってヒグマが近づきにくいようにしようと呼びかけてはいるが..........。
昨年、知床でペットのヤギが消えたのもこのヒグマがかかわっている可能性があるという。こうなってしまっては、この 犬喰いクマ は駆除するしかないのだろうか。
昨年(2018)は池田町で放牧中の羊が何頭も消えてしまったという事件があり、ヒグマに襲われた可能性もあるが 、これは羊ドロボー(人間)にさらわれた可能性もある。
毎年、8月になると知床のヒグマたちが待ちに待ったカラフトマスの遡上がはじまる。

動物写真家藤原美智雄さん撮影。
しかし、近年、知床の渓流に遡上するシロザケ・カラフトマスの数が激減しており、ヒグマたちの食欲は十分満たされるにはほど遠い状況が続いているようだ。
さらに ドングリ、コクワ、ヤマブドウ、タモギタケなどのキノコ類、その他ヒグマのエサとなる山の稔りが不作になれば、ヒグマたちは 海岸、人里、デントコーン畑 などへ出てこざるを得なくなり毎度おなじみ、各地でのヒグマ騒動のパターンが繰り返されるだろう。
私個人的には、毎年こんな形で うだうだやってゆくのも悪くもないかも......とひそかに思っているが、私もふくめてその当事者になってしまうと話は別、そうも言っていられないでしょう。
そろそろ、有能なヒグマ研究者の方があらわれて、抜本的な人間とヒグマの棲み分け方法をあみだしてもよさそうな気もしますが。 それは無理か。

