ネルカ(ヒメマス)のプロフィール。
その1。
秋になると 北海道屈斜路湖では 産卵のためヒメマスたちの岸寄りが始まります。ヒメマス landlocked Oncorhynchus nerka の画像を呈示しながらネルカのプロフィールについて述べてみます。
屈斜路湖は1938年の屈斜路湖地震による水質悪化があり、さらに1950年ころからの急激な温泉開発で温泉水流入による湖水の酸性化、同時にアルミニウムイオンの濃度が魚類にとって致死的レベルに高まった。
そのため1960年ころまでに屈斜路湖の魚類は、ほぼ壊滅状態となり、ついには死の湖になった。
その後、温泉開発が収束したせいか湖水の中性化がすすみ徐々に魚類が棲息可能な環境がもどりはじめました。
1968年以降、屈斜路湖に種々の魚類の放流が行われはじめました。
また屈斜路湖へ流入する小河川群に避難していたアメマス、ウグイなどがもどってきたのか、湖の魚類相が少しづつ回復し現在に至っています。
ただ、攻撃的外来種ニジマスの放流は、いくつかの深刻な問題の火種になっています。
屈斜路湖にはかっては漁協があったようだが 魚類資源が減り1954年に解散、以後漁業権設定のない湖になっている。
すなわち、あれだめ、これだめ、それもだめ に縛られる本州方面の管理された湖と違い、自由に無料で釣りができる湖として近年全国的に人気が高まっている。
釣り方の規制もなく、まさに完全に自由な釣り場で当然、然別湖のような管理人や監視者などはいません。
完全に自由な屈斜路湖の釣りのイメージはとても大切なもので、このスタンスは決して崩さないほうが良いと思います。
規制とまでは言えませんが、唯一、釣った魚は持ち帰らないでほしいとの弟子屈町から釣り人へのお願いがあるのみです。
幸いといおうか、屈斜路湖の魚は、とてもまずいので知っている人は決して食べない。
持ち帰っても法的には問題はないが、屈斜路湖の水質がよくないせいか魚類の味は食に耐えない。
以前、屈斜路湖で釣ったというニジマスをいただいたことがありムニエルにしたが、まずくて完食できなかった。
和琴半島のキャンプ地では屈斜路湖に繁殖する外来種ウチダザリガニ採りが人気だが、これも阿寒湖産とは異なり、茹でて食べても吐き出すほどまずいという。
ちなみに屈斜路湖畔で採取した山菜ギョウジャニンニクもなぜかとてもまずかったことを思い出した。
すなわち、屈斜路湖の魚類は水産資源としての価値は低く、近年流行のフライ、ルアー釣りのターゲットとしてフィッシング市場を維持したり、多少の地域活性化をになうといった価値が際だっているといえます。実際、湖岸に停められている釣り人の車のナンバーをみると遠く道外のものやレンタカーがとても多い。
北海道の湖にはヒメマスが棲息するところが多いが、本来 native のヒメマスは阿寒湖と北見市近郊のチミケップ湖のみで、これ以外の湖のヒメマスはすべて放流によるものである。
現在の屈斜路湖のヒメマスは 1994-1995にかけて、釧路川に遡上したベニザケ親魚由来の稚魚放流がおこなわれたが、これが起源とされています。
これは、屈斜路湖で育ちスモルト化したものが降海・遡上型となりベニザケ資源になることを期待したものとおもうが、残念ながらそうはならず、淡水の屈斜路湖内で世代交代を繰り返す湖沼型個体群( 尾叉長28cm前後と小型 )となり現在に至っている。
ただ、2009年の調査では 採捕された 573個体中1匹のみだが 尾叉長 63.6cm、体重3.12Kg と大型で 耳石の Sr. : Ca 比の検討から降海・遡上型と思われる個体が捕獲されており、きわめて稀にだが降海・遡上型もみられることがわかった。
湖沼型個体群はヒメマス、降海・遡上型はベニザケと言い分けるとわかりやすく、ベニザケは水産資源保護法、および北海道内水面漁業調整規則により川での捕獲(いわゆる密漁)は禁じられるが屈斜路湖のヒメマス捕獲はこれらの法律には抵触しない。
ネルカのプロフィール 2 へ続く。
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その1。
秋になると 北海道屈斜路湖では 産卵のためヒメマスたちの岸寄りが始まります。ヒメマス landlocked Oncorhynchus nerka の画像を呈示しながらネルカのプロフィールについて述べてみます。
屈斜路湖は1938年の屈斜路湖地震による水質悪化があり、さらに1950年ころからの急激な温泉開発で温泉水流入による湖水の酸性化、同時にアルミニウムイオンの濃度が魚類にとって致死的レベルに高まった。
そのため1960年ころまでに屈斜路湖の魚類は、ほぼ壊滅状態となり、ついには死の湖になった。
その後、温泉開発が収束したせいか湖水の中性化がすすみ徐々に魚類が棲息可能な環境がもどりはじめました。
1968年以降、屈斜路湖に種々の魚類の放流が行われはじめました。
また屈斜路湖へ流入する小河川群に避難していたアメマス、ウグイなどがもどってきたのか、湖の魚類相が少しづつ回復し現在に至っています。
ただ、攻撃的外来種ニジマスの放流は、いくつかの深刻な問題の火種になっています。
屈斜路湖にはかっては漁協があったようだが 魚類資源が減り1954年に解散、以後漁業権設定のない湖になっている。
すなわち、あれだめ、これだめ、それもだめ に縛られる本州方面の管理された湖と違い、自由に無料で釣りができる湖として近年全国的に人気が高まっている。
釣り方の規制もなく、まさに完全に自由な釣り場で当然、然別湖のような管理人や監視者などはいません。
完全に自由な屈斜路湖の釣りのイメージはとても大切なもので、このスタンスは決して崩さないほうが良いと思います。
規制とまでは言えませんが、唯一、釣った魚は持ち帰らないでほしいとの弟子屈町から釣り人へのお願いがあるのみです。
幸いといおうか、屈斜路湖の魚は、とてもまずいので知っている人は決して食べない。
持ち帰っても法的には問題はないが、屈斜路湖の水質がよくないせいか魚類の味は食に耐えない。
以前、屈斜路湖で釣ったというニジマスをいただいたことがありムニエルにしたが、まずくて完食できなかった。
和琴半島のキャンプ地では屈斜路湖に繁殖する外来種ウチダザリガニ採りが人気だが、これも阿寒湖産とは異なり、茹でて食べても吐き出すほどまずいという。
ちなみに屈斜路湖畔で採取した山菜ギョウジャニンニクもなぜかとてもまずかったことを思い出した。
すなわち、屈斜路湖の魚類は水産資源としての価値は低く、近年流行のフライ、ルアー釣りのターゲットとしてフィッシング市場を維持したり、多少の地域活性化をになうといった価値が際だっているといえます。実際、湖岸に停められている釣り人の車のナンバーをみると遠く道外のものやレンタカーがとても多い。
北海道の湖にはヒメマスが棲息するところが多いが、本来 native のヒメマスは阿寒湖と北見市近郊のチミケップ湖のみで、これ以外の湖のヒメマスはすべて放流によるものである。
現在の屈斜路湖のヒメマスは 1994-1995にかけて、釧路川に遡上したベニザケ親魚由来の稚魚放流がおこなわれたが、これが起源とされています。
これは、屈斜路湖で育ちスモルト化したものが降海・遡上型となりベニザケ資源になることを期待したものとおもうが、残念ながらそうはならず、淡水の屈斜路湖内で世代交代を繰り返す湖沼型個体群( 尾叉長28cm前後と小型 )となり現在に至っている。
ただ、2009年の調査では 採捕された 573個体中1匹のみだが 尾叉長 63.6cm、体重3.12Kg と大型で 耳石の Sr. : Ca 比の検討から降海・遡上型と思われる個体が捕獲されており、きわめて稀にだが降海・遡上型もみられることがわかった。
湖沼型個体群はヒメマス、降海・遡上型はベニザケと言い分けるとわかりやすく、ベニザケは水産資源保護法、および北海道内水面漁業調整規則により川での捕獲(いわゆる密漁)は禁じられるが屈斜路湖のヒメマス捕獲はこれらの法律には抵触しない。
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