デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

ジャズ・ダンス

2006-06-11 08:09:53 | Weblog
 仕事先の近くにジャズダンス・スタジオがあり、用があり行って来た。恐る恐るドアを開けるとレオタード姿の女性が、腕を伸ばしたり、脚を広げたりして軽快な音楽に合わせて踊っている。こういう場所は初めてのことなので、さすがにドギマギしたが、眺めは好いものだ。応対して頂いた先生とは表で何度かお会いしているが、中では生徒と同じレオタード姿で目のやり場に困る。というより若い生徒さんの方に目が向いてしまい、用を忘れるところであった。(笑)

 日本ではサックス奏者としては評価の低いエディ・ハリスの曲に「フリーダム・ジャズ・ダンス」がある。マイルス・デイヴィス、フィル・ウッズ、クリスチャン・マクブライド等の名演もあるが、決定的なのはミロスラフ・ビトウス。「レイ・ブラウンさん、正確なリズムを刻むだけでは・・・」「リチャード・デイヴィスさん、ウォーキング・ベースも良いのですが・・・」「チャールズ・ミンガスさん、大きな音も魅力あるのですが・・・」と云わんばかりの超絶技巧を見せてくれる。4度程度の連続で上がったり、下がったりする難しい曲だそうで、テクニックを誇示したいプレイヤーが取り上げるようだ。

 ビトウスの初リーダー・アルバム「限りなき探求」に収められていて、ジョー・ヘンダーソン、ジョン・マクラフリン、ハービー・ハンコック等、69年当時の新主流派が脇を固めている。期待できるメンバー構成なのだが、アルバム全体としては散漫な印象だ。小生は「フリーダム」一曲しか聴かないが、この一曲のために聴く価値のあるアルバムともいえる。「フリーダム」以外は、ビトウスの自作曲なのだが、オスカー・ペティフォードに「俺の書いたボヘミア・アフター・ダークでも聴いて勉強しろよ、ビトウス君」と言われそうだ。

 先日のスタジオで拝見した美しいボディ・ラインを想いだしながら、次はどういう用で訪ねようかと、他愛のないことを考えていたら、いつのまにかレコード片面が終わっていた。
コメント (6)
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