デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

グライス・グラス

2006-10-22 06:59:16 | Weblog
 各界の著名人から日本メガネドレッサー賞が発表された。老眼鏡しか愛用していない小生は、メガネに関心を払うことはないが、眼鏡店の広告を見てみるとデザイン、色等バラェティに富んでいて面白い。メガネも顔の一部ともなれば、実用性ばかりでなくファッション性も問われることになろうか。なるほど受賞者は顔とメガネに一体感があり良く似合っている。

 ジャズ界のメガネドレッサーは?と思い数名が候補に挙がったが、小生の1票でジジ・グライスに決定した。(笑)時に知的なイメージを与えるメガネなのだが、グライスのメガネは、その知的な音楽性を映し出すかのようにフィットしている。作編曲者として知性溢れる作品を発表しているが、知的と言われるリー・コニッツはあくまでクールなのに対して、グライスのそれはイースト派の流れに沿ったよりスウィング感がある仕上がりで、バップの智嚢ともいえる。

 写真は「ザ・ハプニンズ」という60年の作品で、切れ味の良いアルトプレイが聴ける。リチャード・ウイリアムス、リチャード・ワイワンズといった実力派を揃えてのセションで、グライスの代表作「ニカス・テンポ」も収められている。イースト派の後援者だったニカ男爵夫人に深い畏敬の念を込めらた曲で、洗練されたメロディーラインが美しい。ホレス・シルバーも「ニカズ・ドリーム」という曲を彼女に贈っていた。チャーリー・パーカーを描いた映画「バード」で、ニカ男爵夫人がパーカーの最後を看取るシーンがあったが、実話に基づいている。

 メガネ美人という言葉があるように、かけると美しく見えたり、逆にはずしたら凄い美人だったりということもあるメガネは、時にはサングラスで素顔を隠すこともできる便利なものでもある。発言が二転三転と翻るある中学校の校長と、その裏で蠢き責任逃れを謀ろうとするある県の教育委員会は、色眼鏡で見られても仕方がない。
コメント (20)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする