デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

デイヴ・ブルーベックの美脚ジャケットを秘かに愉しむ  

2008-10-19 07:56:48 | Weblog
 広末涼子、瀬戸朝香、真矢みき、菅山かおる、4人に共通するものは何だろう?直ぐに答えが出る方は芸能界に相当お詳しいか、あるいは小生同様、少しばかりフェチ傾向にある。今年のパーカッシオ美脚大賞に年代別、スポーツ部門で選ばれた人だ。テレビで出演シーンがあるとつい脚に視線が向いてしまうが、なるほど、負けず劣らず美しい脚である。4人の脚が咄嗟に思い浮かばない方のために、美脚の例を挙げてみた。

 デイヴ・ブルーベックのコール・ポーター作品集で、脚に対する美意識は日本もアメリカも同じようだ。昨今、内容よりもジャケットで売ろうという作品が目立ち、軒並み胸や脚を露出しているが、どうにも品がない。エロスというのは見えるようで見えない隠された部分を想像させることにより美意識が高まり、芸術に昇華するものだろう。それは作家の井上ひさし氏をして「ストリップ界の東京大学」と言わしめた浅草フランス座の踊り子の芸が猥褻ではないように、想像の余地すらない露出は、たとえそのアルバム内容が素晴らしいものであっても格が下がる。品とはスカート丈の僅かな差にも左右されるものだ。

 「エニシング・ゴーズ」の発売元は硬いコロムビアで、どちらかというとこちらも堅いブルーベックには珍しいジャケットだが、やはりそこはかとない品が漂う。「ラヴ・フォー・セール」、「ナイト・アンド・デイ」、「オール・スルー・ザ・ナイト」とお馴染みのポーターの代表曲が並び、タイトル曲は「テイク・ファイヴ」を思わせるブルーベックのイントロから流れるよう入ってくるよき相棒のポール・デスモンドが、短いながら絶品のソロを取っている。映画「インディ・ジョーンズ」でも使われていた「エニシング・ゴーズ」は、主人公の考古学者が持つ品を音楽で表したものかもしれない。

 えっ!ジャケットが逆さまでは?ブルーベックとデスモンドの品のあるソロに浸るのもいい、ポーターの作品をじっくり味わうのもいい、ジャケットを逆さまにして美脚を観賞するのもいい、anything goes~何をしても構わない、楽しみ方は色々である。
コメント (26)
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