12月4日の衆院選公示に向け、二大政党に対抗する第三極の動きが活発になっている。乱立ぎみの新党だが、消費増税の凍結や原発ゼロの早期実現、環太平洋経済連携協定への参加反対等々、争点に大きな違いはないが二大勢力に割って入り、あわよくば政権を取ろうと必死の構えだ。投票率が下がる昨今、第三極の政策に有権者が関心を示すなら選挙に向けての刺激になるだろう。
政治に限らずどの世界でも第三の波はあるもので、ジャズではガンサー・シュラーがジャズとクラシックを融合した「第三の流れ」を提唱した。これに共鳴したのがジョン・ルイスで、MJQには「サード・ストリーム・ミュージック」というアルバムもある。クラシックの手法に基づいたアレンジに沿ってインプロヴァイズするという音楽スタイルなのだが、これがどうにも制約があるためジャズプレイヤーは乗り切れない。即ちスウィングしないのだ。結果的にこの試みは失敗に終わっているが、新しい音楽の方法としては理論的に優れたものでこれに賛同し、実践したミュージシャンもいた。
チャールズ・ベルである。コロムビアに62年に吹き込んだデビュー盤「Contemporary Jazz Quartet」が、ダウンビート誌で5つ星を獲得したことで注目を浴びたピアニストだ。同じ年にアトランティックに録音したのが「アナザー・ディメンション」で、タイトル通りオリジナル曲は別次元の感覚を持っている。スタンダードの選曲では先輩格であるジョン・ルイスの「ジャンゴ」が聴きものだ。ルイスがギタリストのジャンゴ・ラインハルトに捧げたあまりに有名な曲だが、この音楽手法で演奏するとルイスがいかに優れた作曲家だったかがわかるだろう。弾けば弾くほど、聴けば聴くほど味わいが増す仕掛けになっている。
「第三の流れ」は主流になることはなかったが、音楽界に確立されたひとつの潮流として研究もされているし、ジャズシーンに警鐘を鳴らしたのは間違いない。第三極のなかには極右政治家や独裁的な党首もいて早くから脚光を浴びている。この主導者によって「第三帝国」になるのはご免だが、旧態依然とした体制を崩し、グローバルな視点に立つ「第三の男」への期待もある。
政治に限らずどの世界でも第三の波はあるもので、ジャズではガンサー・シュラーがジャズとクラシックを融合した「第三の流れ」を提唱した。これに共鳴したのがジョン・ルイスで、MJQには「サード・ストリーム・ミュージック」というアルバムもある。クラシックの手法に基づいたアレンジに沿ってインプロヴァイズするという音楽スタイルなのだが、これがどうにも制約があるためジャズプレイヤーは乗り切れない。即ちスウィングしないのだ。結果的にこの試みは失敗に終わっているが、新しい音楽の方法としては理論的に優れたものでこれに賛同し、実践したミュージシャンもいた。
チャールズ・ベルである。コロムビアに62年に吹き込んだデビュー盤「Contemporary Jazz Quartet」が、ダウンビート誌で5つ星を獲得したことで注目を浴びたピアニストだ。同じ年にアトランティックに録音したのが「アナザー・ディメンション」で、タイトル通りオリジナル曲は別次元の感覚を持っている。スタンダードの選曲では先輩格であるジョン・ルイスの「ジャンゴ」が聴きものだ。ルイスがギタリストのジャンゴ・ラインハルトに捧げたあまりに有名な曲だが、この音楽手法で演奏するとルイスがいかに優れた作曲家だったかがわかるだろう。弾けば弾くほど、聴けば聴くほど味わいが増す仕掛けになっている。
「第三の流れ」は主流になることはなかったが、音楽界に確立されたひとつの潮流として研究もされているし、ジャズシーンに警鐘を鳴らしたのは間違いない。第三極のなかには極右政治家や独裁的な党首もいて早くから脚光を浴びている。この主導者によって「第三帝国」になるのはご免だが、旧態依然とした体制を崩し、グローバルな視点に立つ「第三の男」への期待もある。