80年代初頭に日本ビクターが企画したスイング・バンド・レディ・シンガー・コレクションは、ビッグバンドが全盛期だった30年代の音源から専属のレディ・シンガーの録音をまとめたもので、オリジナルはSPレコードということもありノスタルジックな雰囲気に包まれる。1曲の録音時間は僅か3分間だが、3分間はこんなにも長く、凝縮された短い時間はこんなにもドラマティックなのかと改めて感じる。
写真はそのシリーズの1枚で、ラリー・クリントン楽団の専属シンガーとして活躍したビー・ウェインの歌声を集めたものだ。クリントンはクラシックをポップスに編曲したことで注目を浴びたバンドリーダーで、なかでもドビュッシーのピアノ曲である「Reverie」に歌詞を付けた「My Reverie」が有名で、これを歌ったのがウェインである。「My Reverie」はモダンジャズ・スタイルで演奏しても映える曲で、ロリンズが「テナー・マッドネス」で取り上げているが、これがオリジナル録音だ。ドビュッシーの曲が元だと言われなければ気が付かないほど斬新なアレンジが施されていて編曲家としてもクリントンは一流だったのだろう。
さて、その声は?一言でいうと・・・この際、帯分を拝借しよう。「アメリカNo.1と言われる美しい唱法、暖かい歌声」ということになる。大袈裟でも何でもない。ついでに「目が綺麗な美人」とでも付け加えておこうか。最大のヒット曲「My Reverie」をはじめスタンダード中心の選曲で馴染みやすいが、なかでもトーチ・ソングの「ゴースト・オブ・ア・チャンス」が聴きものだ。というのもウェインはこの時22歳である。その歳で「はかない望み」という邦題も付いている切ない女心を表現できるのか、と。哀しみを想いだすように訥々と歌いながらも、ほのかな希望を抱かせる優しさも伝わってくる。まさに暖かい歌声。帯分に偽りなしだ。
このシリーズではミルドレッド・ベイリーやダイナ・ショア等、偉大なシンガーのデビュー当時の声を聴くことができる。ライナーノーツを担当した野口久光氏はレコーディング・デビューの年齢を記しているが、ヘレン・ウォードとエラ・フィッツジェラルドが18歳、リナ・ホーンとジョー・スタッフォードは17歳、そしてリー・ワイリーは15歳というから驚く。歌唱力、表現力、ステージ度胸、どれをとってもデビュー時から一流である。
写真はそのシリーズの1枚で、ラリー・クリントン楽団の専属シンガーとして活躍したビー・ウェインの歌声を集めたものだ。クリントンはクラシックをポップスに編曲したことで注目を浴びたバンドリーダーで、なかでもドビュッシーのピアノ曲である「Reverie」に歌詞を付けた「My Reverie」が有名で、これを歌ったのがウェインである。「My Reverie」はモダンジャズ・スタイルで演奏しても映える曲で、ロリンズが「テナー・マッドネス」で取り上げているが、これがオリジナル録音だ。ドビュッシーの曲が元だと言われなければ気が付かないほど斬新なアレンジが施されていて編曲家としてもクリントンは一流だったのだろう。
さて、その声は?一言でいうと・・・この際、帯分を拝借しよう。「アメリカNo.1と言われる美しい唱法、暖かい歌声」ということになる。大袈裟でも何でもない。ついでに「目が綺麗な美人」とでも付け加えておこうか。最大のヒット曲「My Reverie」をはじめスタンダード中心の選曲で馴染みやすいが、なかでもトーチ・ソングの「ゴースト・オブ・ア・チャンス」が聴きものだ。というのもウェインはこの時22歳である。その歳で「はかない望み」という邦題も付いている切ない女心を表現できるのか、と。哀しみを想いだすように訥々と歌いながらも、ほのかな希望を抱かせる優しさも伝わってくる。まさに暖かい歌声。帯分に偽りなしだ。
このシリーズではミルドレッド・ベイリーやダイナ・ショア等、偉大なシンガーのデビュー当時の声を聴くことができる。ライナーノーツを担当した野口久光氏はレコーディング・デビューの年齢を記しているが、ヘレン・ウォードとエラ・フィッツジェラルドが18歳、リナ・ホーンとジョー・スタッフォードは17歳、そしてリー・ワイリーは15歳というから驚く。歌唱力、表現力、ステージ度胸、どれをとってもデビュー時から一流である。