ススキノにスージーこと黒岩静枝さんがオーナーの「デイ・バイ・デイ」というジャズクラブがあり、札幌はもとより全国から足を運ぶジャズファンで連夜賑わっている。声量豊かなスージーが一番の魅力だが、行き渡る気配りで店を切り盛りするシンガーのナオミさんや、全力投球のバックバンド等、心行くまでジャズを満喫できる場所だ。この店でカウンターに入りながらギターを修行している青年がいる。
そのギター君のレパートリーは数多くはないが、思いがけない選曲に驚く。意外な曲選びといえばラッセル・マローンがいて、このヴィーナス盤もあまり演奏されない曲に挑戦している。タイトルの「ホリー・キャッツ」は、チャーリー・クリスチャン作だが、これとてほとんどカヴァーされることはない。そして驚くべきはモンクの「フォア・イン・ワン」である。モンク以外の演奏ではスティーヴ・レイシーを思い出すくらいで、数あるモンク・スタンダードでも特に個性的なことから敬遠される曲だ。ギターで弾くには相当難しい思われるテーマを立て板に水の如く流したあと、アドリブでは引用フレーズを持ってくる遊び心ものぞかせる。
凡そギターに似合わないモンクの曲というイメージを覆す演奏だ。クリスチャン作の「セブン・カム・イレブン」や、ジャンゴ・ラインハルトの「雲」、ウェス・モンゴメリーの「フル・ハウス」、ハーブ・エリス作「ディトゥア・アヘッド」等々、ギタリストが書いたギタリストのための曲を基本として、聴き手のこちらが勝手にギターの曲はこれだというイメージを作り上げているから意外な選曲に驚くのかもしれない。なかにはクラシックのように楽器を指定して書かれた曲もあるが、ほとんどのスタンダードは楽器を想定していないので基本的にどんな曲を取り上げても不思議ではないし、意外性のある曲ほど面白いものだ。
件のギター君は誰よりも早くステージに上がり、譜面のチェックに余念がない。演奏中であってもバンドリーダーでドラマーの佐々木慶一さんから容赦なく激が飛ばされ、終了後は灯りが落ちたステージでスージーから細かいところまで指導される。そういえばウェスやジョージ・ベンソンの後継者とされるラッセル・マローンはダイアナ・クラールの歌伴を務めていた。歌心、同調、強弱、タイミング等々、歌伴から学ぶものは大きいだろう。
そのギター君のレパートリーは数多くはないが、思いがけない選曲に驚く。意外な曲選びといえばラッセル・マローンがいて、このヴィーナス盤もあまり演奏されない曲に挑戦している。タイトルの「ホリー・キャッツ」は、チャーリー・クリスチャン作だが、これとてほとんどカヴァーされることはない。そして驚くべきはモンクの「フォア・イン・ワン」である。モンク以外の演奏ではスティーヴ・レイシーを思い出すくらいで、数あるモンク・スタンダードでも特に個性的なことから敬遠される曲だ。ギターで弾くには相当難しい思われるテーマを立て板に水の如く流したあと、アドリブでは引用フレーズを持ってくる遊び心ものぞかせる。
凡そギターに似合わないモンクの曲というイメージを覆す演奏だ。クリスチャン作の「セブン・カム・イレブン」や、ジャンゴ・ラインハルトの「雲」、ウェス・モンゴメリーの「フル・ハウス」、ハーブ・エリス作「ディトゥア・アヘッド」等々、ギタリストが書いたギタリストのための曲を基本として、聴き手のこちらが勝手にギターの曲はこれだというイメージを作り上げているから意外な選曲に驚くのかもしれない。なかにはクラシックのように楽器を指定して書かれた曲もあるが、ほとんどのスタンダードは楽器を想定していないので基本的にどんな曲を取り上げても不思議ではないし、意外性のある曲ほど面白いものだ。
件のギター君は誰よりも早くステージに上がり、譜面のチェックに余念がない。演奏中であってもバンドリーダーでドラマーの佐々木慶一さんから容赦なく激が飛ばされ、終了後は灯りが落ちたステージでスージーから細かいところまで指導される。そういえばウェスやジョージ・ベンソンの後継者とされるラッセル・マローンはダイアナ・クラールの歌伴を務めていた。歌心、同調、強弱、タイミング等々、歌伴から学ぶものは大きいだろう。