さて、ジャケットの二人は誰でしょう?何を今更と言われそうだが、奥のマル・ウォルドロンを見間違える方はいないと思うが、問題は手前にいるソプラノ奏者だ。おそらく半数以上はスティーブ・レイシーと答えるだろう。レイシーとマルは何度も共演しているので、「レイシーだよ」と言われて音を聴いたとしても疑う余地はない。ここまで書くと当然レイシーではないことに気付き改めてジャケットを見ると・・・
確かに似ているが、どことなく違う。レイシーはマルより8歳年下だが、マルの年齢から推測するとかなり若い。では誰だ?イタリアのソプラノ奏者ロベルト・オッタヴィアーノである。ロベルトはアルバート・マンゲルスドルフやエンリコ・ラヴァのアルバムで正面から撮った写真を見ているが、レイシーには似ていない。このアングルの横顔がたまたま似ているだけだが、スタイルも似ている。ソプラノ・サックスというとテナーの持ち替えが多く、この楽器一本というのはシドニー・ベシェ以降でいうなら現代のベシェといわれたレイシーがモダン期で最初の奏者だ。そのレイシーに次ぐのがこの舌をかみそうな名前のオッタヴィアーノである。
1996年にミラノで録音されたもので、写真の二人だけのデュオだ。 選曲は「Memories of You」をはじめ、「Django」、「A Night in Tunisia」という「Black Spirits Are Here Again」というアルバムタイトルに沿った選曲で、ファッツ・ウォーラーが1942年に書いた「Jitterbug Waltz」も取り上げている。ジャズ・ワルツの草分けと言われる存在で、この曲がなければマルの「Fire Waltz」もエヴァンスの「Waltz For Debby」もなかったかもしれない。フリー色が強いソプラノと無駄な音を省いたピアノのデュオは、両者もリスナーも納得する内容だが、それよりこの古い曲のモダンな感覚に驚いた。ウォーラーは相当先を行っていたということだろう。
レイシーが23歳のときの初リーダー作にその名もズバリ「Soprano Sax」がある。ウィントン・ケリーの鮮やかなピアノが光るアルバムだ。ジャケットを思い出してみよう。確かにこの横顔は似ていて、特に額とモミアゲは酷似している。ロベルトはレイシー以後の最重要ソプラノ奏者に挙げらるが、ソプラノのスタイルは固より、風貌まで似ている後継者をレイシーは泉下で目を細めてみているかもしれない。
確かに似ているが、どことなく違う。レイシーはマルより8歳年下だが、マルの年齢から推測するとかなり若い。では誰だ?イタリアのソプラノ奏者ロベルト・オッタヴィアーノである。ロベルトはアルバート・マンゲルスドルフやエンリコ・ラヴァのアルバムで正面から撮った写真を見ているが、レイシーには似ていない。このアングルの横顔がたまたま似ているだけだが、スタイルも似ている。ソプラノ・サックスというとテナーの持ち替えが多く、この楽器一本というのはシドニー・ベシェ以降でいうなら現代のベシェといわれたレイシーがモダン期で最初の奏者だ。そのレイシーに次ぐのがこの舌をかみそうな名前のオッタヴィアーノである。
1996年にミラノで録音されたもので、写真の二人だけのデュオだ。 選曲は「Memories of You」をはじめ、「Django」、「A Night in Tunisia」という「Black Spirits Are Here Again」というアルバムタイトルに沿った選曲で、ファッツ・ウォーラーが1942年に書いた「Jitterbug Waltz」も取り上げている。ジャズ・ワルツの草分けと言われる存在で、この曲がなければマルの「Fire Waltz」もエヴァンスの「Waltz For Debby」もなかったかもしれない。フリー色が強いソプラノと無駄な音を省いたピアノのデュオは、両者もリスナーも納得する内容だが、それよりこの古い曲のモダンな感覚に驚いた。ウォーラーは相当先を行っていたということだろう。
レイシーが23歳のときの初リーダー作にその名もズバリ「Soprano Sax」がある。ウィントン・ケリーの鮮やかなピアノが光るアルバムだ。ジャケットを思い出してみよう。確かにこの横顔は似ていて、特に額とモミアゲは酷似している。ロベルトはレイシー以後の最重要ソプラノ奏者に挙げらるが、ソプラノのスタイルは固より、風貌まで似ている後継者をレイシーは泉下で目を細めてみているかもしれない。