関東地方でも雪が降ったという先週初めは、ここ札幌も雪が舞い、寒い日が続いている。桜前線が近づいているとはいえ平年より気温が5度も低いと気分も晴れない。せめて音楽だけでも春らしくと「Spring Is Here」や「It Might As Well Be Spring」 、「Spring Can Really Hang You Up the Most」、「Spring Will Be a Little Late This Year」と聴いてみたが、まだ温度は十分に上がらない。
ならばジャズマン・オリジナルのホットな曲をかけてみよう。マイルスの「Swing Spring」はどうだ。「Modern Jazz Giants」の1曲で、「The Man I Love」ほどインパクトはないもののメロディは軽やかである。次にフレディ・ハバードの「Backlash」から「Up Jumped Spring」。ジェームス・スポールディングのフルートが小鳥のさえずりを思わせ気温もかなり上がってきた。そして極めつけはクリフォード・ブラウンの「Joy Spring」だ。いくつか録音を残しているがやはりマックス・ローチとのクインテット盤がベストだろう。ブラウンの温もりのある一音だけで5度上がる。
美しいメロディに惹かれてカヴァーも多いこの曲を、アルバムトップに持ってきたのはゲイリー・バートンで、しかも初リーダー作だ。音板を担ぎマレットを持った後姿は「New Vibe Man In Town」のタイトルよろしくジャズヴァイヴシーンに殴り込みをかける威勢の良さがある。その後の変貌はともかく、1961年の録音時はオーソドックスなスタイルで好感が持てるし、このとき若干18歳というから驚く。ジーン・チェリコのベースとジョー・モレロのドラムからなるトリオだが、先輩のリズムに引っ張られながらもグイグイ先に進んでいくのは何とも頼もしい。
ブラウンは1954年の春の海辺で妻となるラルー・アンダーソンに「Joy Spring」を吹いてプロポーズしたという。1956年6月に交通事故死するブラウンにとって1954年の春は人生最高の季節だったことだろう。この曲を聴くだけで温度が上がるのはこの微笑ましいエピソードがあったからかもしれない。コートを脱いで外に出てみよう。きっと春の柔らかい風が吹いている。
ならばジャズマン・オリジナルのホットな曲をかけてみよう。マイルスの「Swing Spring」はどうだ。「Modern Jazz Giants」の1曲で、「The Man I Love」ほどインパクトはないもののメロディは軽やかである。次にフレディ・ハバードの「Backlash」から「Up Jumped Spring」。ジェームス・スポールディングのフルートが小鳥のさえずりを思わせ気温もかなり上がってきた。そして極めつけはクリフォード・ブラウンの「Joy Spring」だ。いくつか録音を残しているがやはりマックス・ローチとのクインテット盤がベストだろう。ブラウンの温もりのある一音だけで5度上がる。
美しいメロディに惹かれてカヴァーも多いこの曲を、アルバムトップに持ってきたのはゲイリー・バートンで、しかも初リーダー作だ。音板を担ぎマレットを持った後姿は「New Vibe Man In Town」のタイトルよろしくジャズヴァイヴシーンに殴り込みをかける威勢の良さがある。その後の変貌はともかく、1961年の録音時はオーソドックスなスタイルで好感が持てるし、このとき若干18歳というから驚く。ジーン・チェリコのベースとジョー・モレロのドラムからなるトリオだが、先輩のリズムに引っ張られながらもグイグイ先に進んでいくのは何とも頼もしい。
ブラウンは1954年の春の海辺で妻となるラルー・アンダーソンに「Joy Spring」を吹いてプロポーズしたという。1956年6月に交通事故死するブラウンにとって1954年の春は人生最高の季節だったことだろう。この曲を聴くだけで温度が上がるのはこの微笑ましいエピソードがあったからかもしれない。コートを脱いで外に出てみよう。きっと春の柔らかい風が吹いている。