1955年制作のアメリカ映画「ピクニック」をご覧になったことがあるだろうか。ウィリアム・ホールデンとキム・ノヴァクが主演の典型的なボーイ・ミーツ・ガール・ストリーなのだが、名台詞は60年経った今でも話題になる。ノヴァクの母親役を演じるのはジョン・ウェインの相手役に抜擢されたベティ・フィールドで、「女が美しいのは数年だけよ。今は19でも来年は20、次は21、すぐに40よ」と娘の背中を押す。
この映画ではもう一つ語られる名シーンがある。川辺でホールデンとノヴァクが見つめ合って踊る場面だ。ノヴァクの美しさに溜息が出る。相手をジッと見つめる瞳やバラのような唇は勿論のこと、そのバランスの取れた肢体と艶めかしい姿態まで、今では死語になったグラマー美人という言葉がこれほど似合う人はいない。このバックで流れるのは「ムーン・グロウ」だ。映画ではモーリス・ストロフ楽団を使用していたが、1934年にベニー・グッドマン楽団で大ヒットして以来、ダンスナンバーとして定番になっている。踊りながら愛を語るには最高のメロディかもしれない。
元はインスト曲として書かれたが、美しい旋律は自然とロマンティックな詞が湧いてくる。名唱数知れずだが、最近では2008年に録音されたカナダのシンガー、キャロル・ウェルスマンが素晴らしい。2009年に生誕100年を迎えるグッドマンに捧げたアルバムで、ペギー・リーのお得意のナンバーも含め、古き良き時代の曲をケン・ペプロウスキーの華麗なクラリネットに乗せて歌っている。オーソドックスな唱法で落ち着きのある声は、昨今の変化のあるヴォーカルに慣れた耳にはやや物足りなさを感じるかもしれないが、このようなシンガーがいたからこそスウィング期が栄えたともいえる。
今日は「DAY BY DAY」のメンバーとジャズ仲間、総勢8人で札幌ドームに日本ハム・ファイターズを応援に行く日だ。「WE LOVE HOKKAIDO シリーズ 2015」と名付けられた試合はオープンテラスに屋台が立ち並び、4万人を超えるファンで賑わう。試合前、ここにマットを敷き車座になって宴会をするのが恒例になっている。これを9月21日に50周年記念リサイタルを開く黒岩静枝さんは、「ピクニック」と呼んでいる。何とも楽しい響きだ。
この映画ではもう一つ語られる名シーンがある。川辺でホールデンとノヴァクが見つめ合って踊る場面だ。ノヴァクの美しさに溜息が出る。相手をジッと見つめる瞳やバラのような唇は勿論のこと、そのバランスの取れた肢体と艶めかしい姿態まで、今では死語になったグラマー美人という言葉がこれほど似合う人はいない。このバックで流れるのは「ムーン・グロウ」だ。映画ではモーリス・ストロフ楽団を使用していたが、1934年にベニー・グッドマン楽団で大ヒットして以来、ダンスナンバーとして定番になっている。踊りながら愛を語るには最高のメロディかもしれない。
元はインスト曲として書かれたが、美しい旋律は自然とロマンティックな詞が湧いてくる。名唱数知れずだが、最近では2008年に録音されたカナダのシンガー、キャロル・ウェルスマンが素晴らしい。2009年に生誕100年を迎えるグッドマンに捧げたアルバムで、ペギー・リーのお得意のナンバーも含め、古き良き時代の曲をケン・ペプロウスキーの華麗なクラリネットに乗せて歌っている。オーソドックスな唱法で落ち着きのある声は、昨今の変化のあるヴォーカルに慣れた耳にはやや物足りなさを感じるかもしれないが、このようなシンガーがいたからこそスウィング期が栄えたともいえる。
今日は「DAY BY DAY」のメンバーとジャズ仲間、総勢8人で札幌ドームに日本ハム・ファイターズを応援に行く日だ。「WE LOVE HOKKAIDO シリーズ 2015」と名付けられた試合はオープンテラスに屋台が立ち並び、4万人を超えるファンで賑わう。試合前、ここにマットを敷き車座になって宴会をするのが恒例になっている。これを9月21日に50周年記念リサイタルを開く黒岩静枝さんは、「ピクニック」と呼んでいる。何とも楽しい響きだ。