コタツ評論

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未完のレーニン

2008-01-21 00:56:15 | ノンジャンル
-<力>の思想を読む (白井 聡 講談社選書メチェ)

下の「最近買った本」で少し感想を書いているが、かなり間違っている。とくに<力>は権力ではない。もっと大きな「普遍的な力」だ。その「普遍的な力」は演繹的にではなく、帰納的に生まれてくるという論説に唸った。現在、再読中。最低、3回は読まないと原典の『国家と革命』『何をなすべきか?』を読むわけにはいかないだろう。非常な人の非情の思想にどこまでついていけるか。かなりな本だと思う。著者はまだ30歳、修士論文だったそうで、とすれば20代で書いたことになる。ブリリアントな文章がいくつもある。とりあえず、DVDレンタルで、『グッバイ・レーニン!』を借りてこなくては。

ただし、誰が読むべき本なのだろう。俺なら少年少女に読ませたい。この世界が唯一絶対ではなく「外部」があり、「未来」は現在の延長ではなく、そして、「言葉とものが一致する」世界があり得るということを共に学べたらと思った。
コメント
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