オバマ大統領就任式を視聴していて気になったこと3つ。もっとも深夜に生中継を見ていたのではなく、翌日のニュースのダイジェストに拠るのだが。
その1。宣誓式の呼び出しは「バラクエイチオバマ」だったが、自らは「バラクフセインオバマ」と名乗ったこと。略さないのが当然なのだろうが、「フセイン」というイスラム名を持つ大統領を選んだアメリカ国民にやはり驚く。同じイスラム名でもカシアス・クレイという「奴隷名」を捨てて「モハメッド・アリ」になったのと、最初から「フセイン」とでは全然違うようだが、ともに、成り上がる「アメリカンドリーム」を否定したところは同じである。モハメッド・アリは黒人奴隷の子孫として自らの意志に基づいて。バラク・フセイン・オバマは横滑りのエリート黒人として。
「フセイン大統領」のおかげで、中東系移民や黒人(アメリカではアフリカ系といわねばならないそうだが)、ヒスパニックなどの人種マイノリティもアメリカ風の名前に変えるのをやめる人が増えるだろう。WASP以外の白人であるイタリア系やドイツ系、ロシア系などもアメリカ的な名前に変えてきた歴史があり、映画スターの本名に、「えっ、そんな変な名前なの!」と驚くことがある。しかし、疑問はまだ残る。バラク・オバマというのはケニア人本来の名前なのだろうか。
その2。宣誓のとき、オバマが珍しくつかえたこと。宣誓の後、オバマの次女が父親に向けてグッド!とばかり親指を立てたのは可愛かった。大統領就任式というこれ以上ないほどの重大な公式行事に家族を同伴するなんて、家庭と公が重なるアメリカの市民意識にに感心した。園遊会に夫人はともかく、子ども連れは見たことがないものな。
PS:今日23日の朝日新聞を読むと、宣誓をリードする最高裁判事が宣誓の語順を間違えたそうで、昨夜やり直したという。オバマは間違いに気づいたので、一瞬絶句したが、間違いのまま復唱したようだ。間違いを正して復唱したらどうだったろうかと考えてみて、行事を滞らせず、法の代理人に恥をかかせず、リンカーンの聖書に手を置いて、オバマはあえて間違いを呑んだわけだ。「やったね!パパ!」という次女の親指を立てた「グッド」のサインは、宣誓をつかえた父親への励ましだったろうと思えた。それに対して、「心配したかい。でもパパは大丈夫だよ。ありがとう」と笑顔を返すオバマ。まるで誰かがシナリオを書いたような、誰もが微笑む場面だが、実は最高裁判事の間違いだったとわかってみると、次女は子どもながら直感的にすべてを理解した上で、パパのタフぶりを賞賛したのではないかとさえ思えてくる。「タフでなければ生きていけない 云々」という有名な言葉を思い出した。
その3。この間、TVニュースはオバマ大統領就任一色なのだが、俺が視聴した限りでは例の小浜市が出てこない。黒糖をふんだんに使った「オバマまんじゅう」でも売り出すのかと期待していたのに、誰か自主規制をうながすような野暮をいったのかしらん。「名前がおんなじ」と「日米同盟」に片思いという点ではさしたる違いもないわけだから、さすがに恥ずかしくなったか。もちろん、「日米同盟」派がだが。
(敬称略)
http://9101.teacup.com/chijin/bbs
その1。宣誓式の呼び出しは「バラクエイチオバマ」だったが、自らは「バラクフセインオバマ」と名乗ったこと。略さないのが当然なのだろうが、「フセイン」というイスラム名を持つ大統領を選んだアメリカ国民にやはり驚く。同じイスラム名でもカシアス・クレイという「奴隷名」を捨てて「モハメッド・アリ」になったのと、最初から「フセイン」とでは全然違うようだが、ともに、成り上がる「アメリカンドリーム」を否定したところは同じである。モハメッド・アリは黒人奴隷の子孫として自らの意志に基づいて。バラク・フセイン・オバマは横滑りのエリート黒人として。
「フセイン大統領」のおかげで、中東系移民や黒人(アメリカではアフリカ系といわねばならないそうだが)、ヒスパニックなどの人種マイノリティもアメリカ風の名前に変えるのをやめる人が増えるだろう。WASP以外の白人であるイタリア系やドイツ系、ロシア系などもアメリカ的な名前に変えてきた歴史があり、映画スターの本名に、「えっ、そんな変な名前なの!」と驚くことがある。しかし、疑問はまだ残る。バラク・オバマというのはケニア人本来の名前なのだろうか。
その2。宣誓のとき、オバマが珍しくつかえたこと。宣誓の後、オバマの次女が父親に向けてグッド!とばかり親指を立てたのは可愛かった。大統領就任式というこれ以上ないほどの重大な公式行事に家族を同伴するなんて、家庭と公が重なるアメリカの市民意識にに感心した。園遊会に夫人はともかく、子ども連れは見たことがないものな。
PS:今日23日の朝日新聞を読むと、宣誓をリードする最高裁判事が宣誓の語順を間違えたそうで、昨夜やり直したという。オバマは間違いに気づいたので、一瞬絶句したが、間違いのまま復唱したようだ。間違いを正して復唱したらどうだったろうかと考えてみて、行事を滞らせず、法の代理人に恥をかかせず、リンカーンの聖書に手を置いて、オバマはあえて間違いを呑んだわけだ。「やったね!パパ!」という次女の親指を立てた「グッド」のサインは、宣誓をつかえた父親への励ましだったろうと思えた。それに対して、「心配したかい。でもパパは大丈夫だよ。ありがとう」と笑顔を返すオバマ。まるで誰かがシナリオを書いたような、誰もが微笑む場面だが、実は最高裁判事の間違いだったとわかってみると、次女は子どもながら直感的にすべてを理解した上で、パパのタフぶりを賞賛したのではないかとさえ思えてくる。「タフでなければ生きていけない 云々」という有名な言葉を思い出した。
その3。この間、TVニュースはオバマ大統領就任一色なのだが、俺が視聴した限りでは例の小浜市が出てこない。黒糖をふんだんに使った「オバマまんじゅう」でも売り出すのかと期待していたのに、誰か自主規制をうながすような野暮をいったのかしらん。「名前がおんなじ」と「日米同盟」に片思いという点ではさしたる違いもないわけだから、さすがに恥ずかしくなったか。もちろん、「日米同盟」派がだが。
(敬称略)
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