コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

敵の評価はつねに正しい

2009-12-09 00:41:00 | ノンジャンル


7日夜のNHKニュースを観ていたら、鳩山首相の「囲み取材」の様子が映されていた。官邸前で、記者団に取り囲まれた、何本もの録音機能付き携帯の前で、質問に答えるというものだ。

この夜、かねて問題化している米軍の普天間移設について、鳩山首相は驚くべき発言をしたのに、キャスターは何のフォローもしなかったので、さらに驚いた。鳩山首相はこういったのだ。

「日米関係も大事。沖縄県民の思いも大事。連立の維持も大事。週明けには決断しなければならない」

日米同盟と沖縄県民の思いと社民党との連立の維持を、等価にした! 無責任な俺だってそんなことはいうどころか、思いもしない。

岡田外相が憔悴しきっているのに対し、鳩山首相は相変わらずのふっくら頬で、こんな思い切ったレトリックを繰り出す余裕があるとはたいしたもの。もしかすると、日本には過ぎた首相なのかもしれない。

鳩山首相発言の重大な意味を正確に受け止めたのは、メディアではなく、野党自民党でもなく、たぶん沖縄県民でもなく、やはりアメリカだった。「敵」の方が、「味方」より、正しく評価することがままあるのだ。

今日8日夜のNHKニュースでは、日米関係シンポジウムにおいて、普天間移設問題について、アーミテージ元米国務副長官の発言を紹介していた。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009120800778

アーミテージは、その巨躯に似合いのスキンヘッドにそぐわぬおちょぼ口を歪めて、こういった。
「もし、来夏の参院選まで普天間移設問題を決着できないならば、日米同盟より連立維持を優先したと考えざるを得ない」

やはり、何の解説も抜きで、「報道の中立」「不偏不党」のNHKは報じたものだ。さらに、アーミテージは、こう凄んだ。、
「日本国民が安心して眠れるのは、米軍と自衛隊が守っているからだ。それなくして、日本国民は一日でも安眠できるのか」

06年に米CBSのニュース番組、「60 Minutes」に出演したパキスタンのムシャラフ大統領(当時)は、01年のアメリカのアフガニスタン侵攻に協力しなければ、パキスタンを「石器時代に戻す」ほど空爆するとアーミテージ米国務副長官(当時)から脅迫されたと告白した(Wikipedia アーミテージ)。

(敬称略)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする