コタツ評論

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観音と武蔵

2013-12-24 12:23:00 | スポーツ
おこたに入っておみかんむきながら、浅田真央の福耳を見ていた。『山口百恵は菩薩である』(平岡正明)という本があったが、舞い踊るまおちゃんは観音様のようであった。

まおちゃん観音様説に反対は少ないだろうが、さらにまおちゃん宮本武蔵説も加わったのが、昨夜の日本フィギア選手権だった。

来年、2月7日のソチオリンピック開催まで、正味1か月しかないのに、トリプルアクセル(3回転半)を優先して、難技に挑戦を続けるその求道的な姿勢。

さらに、選択曲がラフマニノフピアノ協奏曲第2番という難曲。「ポル・ウナ・カベサ」なら誰でも気持ちよくのれるだろうに、ラフマニノフによく手拍子がとれたものと観客へ拍手。

前夜の高橋大輔も、武蔵を彷彿とさせた。選択曲はビートルズ・メドレー。それも、クラッシックからの影響が濃い曲ばかり。つまり、たとえば、ワーグナーやドビュッシーやチャイコフスキーたちの曲をつなげて、舞い踊るという難業に挑戦したようなもの。

クライマックスの『ロング・アンド・ワインディング・ロード』を滑りながら、犯したミスに打ちのめされたような表情だった。完成度を高めるより、困難に挑むことで、自らの集中力の限界を試そうとした、大輔とまおちゃん。

気がつけば、おみかんに入っておこたをむいていた。

NIKOLAI LUGANSKY & ANTONI WIT ラフマニノフピアノ協奏曲第2番第1楽章


ザ・ビートルズ The Long and Winding Road


(敬称略)
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