コタツ評論

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床屋星団からの逆襲

2016-02-09 00:55:00 | 政治
NHKの最新の世論調査によると、安倍内閣の支持率は50%、前回より4ポイント上げている。経済政策はもとより、外交と内政ともに成果を上げるどころか失政続きといわれていることはいうまでもない。そのうえ、甘利経済再生担当相の汚職事件や遠藤オリンピック担当大臣の不正献金問題が続き、政権の支持率に陰りがみえて当然のはずなのに、この高支持率には驚く。

安倍内閣 「支持する」50% 「支持しない」34%
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160208/k10010402501000.html

全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。

野党第一党の民主党がダメだから、マスコミが恫喝と懐柔に屈して批判しないから、そもそも、いまどき固定電話にアトランダムに掛ける電話調査という手法が世論調査として偏っている。いろいろな背景が考えられるが、社会党以来、野党第一党がダメなのは猫でも知っている。日本の真の野党勢力がアメリカであることも羞恥の事実。恫喝と懐柔に屈しないマスコミは靴する犬ほど珍しい。どれもいまさらなことばかり。

携帯電話の時代にまだ固定電話を置き、誰ともわからぬ電話に出て、それなりの時間を費やして、世論調査に協力するという国民には、たしかにある保守性がうかがえる。しかし、だからこそ、その正味を吟味して考える必要があるのではないか。換言すれば、多くの安部批判に汎用性はあっても、かんじんの国民には通用していないという事実に向き合うべきではないか。

安倍内閣発足以来の世論調査の基調は、安倍政権の政策をとりわけ支持したり期待はしていないが、安倍内閣は支持するというものだったといえる。安倍首相にとくにカリスマ性があるとは思えないのに、安倍人気は衰えない。安倍首相をバカだクソだと罵る前に、安倍政権を支える高支持率の正体を見極めなければ、安倍政権打倒活動としては怠慢のそしりを免れまい。

安倍政権はなぜ支持されるのか、何が国民に受け入れられているのか、つまり、どこが優れているのか、その苦い問いからはじめるべきではないか。

米国以外「すべて沈没」という驚愕シナリオ
http://toyokeizai.net/articles/-/103517

これほど統一されていない国なら崩壊しかねない政策を実行したりプレッシャーに耐えたりする文化的体力を備えているのだ。日本は、下がる一方の生活水準に耐えられることをすでに示した世界でも数少ない国のひとつだ

NHKの世論調査に協力した人々は、安倍内閣支持と不支持を問わず、「下がる一方の生活水準に耐え」ている国民ではないかという問いを私は抱いている。その問いから派生する、いつまで、どこまで耐えるのか、耐えられるのかという問いは、もちろん先走るカウパー腺液である。「なぜ」という問いこそが現実であり、重要なはずだ。

(敬称略)
コメント
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