コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

おいおいゲンダイかよ

2016-05-11 22:51:00 | 経済
そういわずにまあ読んでください。フィナンシャル・タイムズを買収しても日経新聞にはけっして書けない記事でしょう。

英有力紙が酷評 安倍首相“英国EU残留”アドバイスの赤っ恥
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/180944

記事では、2012年に安倍政権が誕生してから、経済政策で「3本の矢」を放ってきたが、いずれの矢も〈的外れだった〉――との見方を示し、GDPに対する債務が膨れ上がっている状況を解説。エコノミストの分析として〈実質賃金が下がり、家計支出も悪化している可能性がある〉と報道。そして〈安倍首相はEUを離脱するリスクを英国に警告したが、彼の経済的なアドバイスを聞く価値があるのか〉と酷評したのである。

舛添都知事の「会議費」とか問題にしている場合じゃないが、アベノミクス破綻といってもケタが違い過ぎてピンと来ず、総選挙の争点にならないか。

高学歴で低年収、33歳女性の明るすぎる貧困
彼女を救ったのは宗教とセックスだった

http://toyokeizai.net/articles/-/117352

おいおい、東洋経済がこんな記事載せて大丈夫かよ。


小田島隆さんの指摘以前に、この記事はウラを取っているのか、聞き書き垂れ流しじゃないかと疑問。介護現場にはくわしいライターだが、それでも聞いた話だけでは適切な記事にはならない。「頭がおかしい人」というインパクトは記事には必要ない。それをして「興味本位」というのでは。記事ではなくて漫画ルポなら読み物として問題ないのだが。
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愛の嵐 1

2016-05-11 11:16:00 | レンタルDVD映画
CATVで放映されていた「愛の嵐」を観た。「ベニスに死す」「地獄に堕ちた勇者ども」などと並び、「愛とエロス」の芸術映画として名高い作品だが、初めて。ついでにいえば、「ベニスに」と「地獄に」も未見。耽美主義的な「芸術」映画は性に合わない。

映画は時代の表現だから、たいていの名作や傑作、あるいは先鋭的な問題作でも、昔の映画に感心することはごく少ないもの。が、この「愛の嵐」はいまでもかなりの問題作だと思った。問題視されるだろうと問題を抱えているという二重の意味で。

映画の舞台は1957年(昭和32)のウィーン。映画の製作年は1973年(昭和48)。米伊合作のイタリア映画でリリアーナ・カヴァーニなる女性監督作品。公開当時、ナチスを賛美していると欧米では上映禁止運動が起きたそうだ。

簡単にあらすじにふれると、第二次世界大戦から13年後、強制収容所の生存者ルチア(シャーロット・ランブリング)は、彼女を虐待したした男(ダーク・ボガード)と再び出会い、かつてのサドマゾ関係に堕ちていくという話。

戦時中、ナチス親衛隊将校だった男マクシミリアン(マックス)は、ウィーンの二流ホテルで夜間のフロント係になっていた。ルチアは著名なオペラ指揮者の裕福な夫人として投宿したホテルで、二人は再会する。

この映画を語るとき、かならず言及される有名なシーンがある。この映画が露呈し、孕む問題のほとんどをこのマックスの回想シーンに見出すことができる。

強制収容所を管理する親衛隊の将校クラブ。ユダヤ人少女ルチアは親衛隊の将校帽をかぶり、上半身裸にサスペンダー、粗末でだぶだぶのズボンに裸足、なのに貴婦人のようにひじ上まで覆う黒手袋をつけ、男たちの間を気怠く歌い踊っていく。

Danny A Kaysi The Night Porter Film 1974- Marlene Dietrich wenn ich mir was wunschen durfte


ルチアが歌う歌は、マレーネ・デートリッヒの「望みは何かと訊かれたら」(Marlene Dietrich - Wenn Ich Mir Was Wünschen Dürfte)

(敬称略)

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